令和8年版 厚生労働白書 (92 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf |
| 出典情報 | 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》 |
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2025(令和 7)年度に実施された「医療 DX の実施状況調査」
によると、病院・診療
所において電子処方箋システムを導入していない理由として、
「初期導入コストが高額で
あること」
、「既存の電子カルテ等のシステムとの関係」
、
「必要性や有用性を必ずしも感じ
第
章
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ていないこと」などが多く挙げられており、特に診療所においては、導入コストへの支援
や、医療機関の規模・機能に応じた段階的な対応を求める声が相対的に多い。
第二に、導入後の運用・定着を支える人材・組織体制の構築に関する課題がある。
2040年に向けた、医療・介護・障害福祉の現場における取組み―テクノロジー(ICT、AI、ロボット等)の活用による生産性向上―
ICT・テクノロジーは、機器やシステムを導入すること自体ではなく、業務プロセスの見
直しや役割分担の再整理と一体的に進めることで、初めて実質的な効果を発揮する。しか
し、医療現場の多忙な業務の中で、十分な業務分析、職員への研修、継続的な運用改善を
行う体制を確保することが難しい医療機関も少なくない。また、こうした運用・定着を担
うためには、現場を理解しつつ ICT や AI 等の活用を主導できる人材や、部門横断的に調
整を行う組織体制が不可欠であるが、これらを確保・育成する余力が限られている医療機
関も多く、導入効果が十分に発揮されない要因となっている。
第三に、テクノロジーの活用そのものに伴う課題として、安全性や信頼性の確保に関す
る論点が挙げられる。医療分野では、個人情報や診療情報といった機微性の高いデータを
取り扱うことから、情報セキュリティや個人情報保護、システム障害時の対応等につい
て、制度面・運用面の両面から十分な配慮が求められている。
特に AI 技術については、画像診断支援や AI 問診など、診療判断に影響を与え得る場面
での活用が想定されており、医師の関与の在り方、AI の判断結果の位置付け等について、
現場での適切な理解が必要となっている。
②政府の対応・取組み、今後の方向性
これらの課題を踏まえ、政府においては、ICT・テクノロジーの導入を医療現場におけ
る取組みとして定着させていく観点から、財政的支援、診療報酬制度による対応、運用・
人材面での支援等を組み合わせた対応を講じてきた。
(財政的支援・補助事業による医療 DX とテクノロジー機器の導入促進)
まず、財政面においては、医療 DX 推進のための補助金や医療情報化支援基金(いわゆ
る ICT 基金)を通じて、医療機関におけるデジタル化に対応した支援が行われてきた。
電子カルテや診療情報管理システム等の導入・高度化を対象とした補助事業が実施されて
いるほか、オンライン資格確認についても、顔認証付きカードリーダーの設置やシステム
改修等に対する公的支援が行われ、現在では全国的な導入が進んでいる。
あわせて、地域医療構想の達成に向けた財政支援制度である地域医療介護総合確保基金
の活用により、医療機関間の情報連携や ICT を活用した地域医療ネットワーク基盤の整
備に係る費用についても支援対象とされている。これらの取組みは、個々の医療機関にお
ける業務効率化のみならず、地域単位での医療提供体制の再編や医療機関間の連携を視野
に入れて実施されている。
また、各医療機関において、看護業務の効率化や医師事務作業の効率化に資する ICT・
* 17 厚生労働省「令和 6 年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和 7 年度調査)医療 DX の実施状況調査」
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