令和8年版 厚生労働白書 (51 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf |
| 出典情報 | 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》 |
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選ばれる事業所になるために、職員の主体性を最大に発揮した
ゼロコストの採用戦略と安定的運営(社会福祉法人光誠会)
率を抑え、安定的な採用を実現し、地域に開かれた、選ばれる事業所を目指して運営している
事業所がある。平均年齢 30 代後半、就職先としても、利用先としても選ばれる社会福祉法人
光誠会(栃木県、千葉県で 8 施設 31 事業所を運営)の取組みを取材した。
運営は「稼働・採用・離職」の 3 つの観点を重視
光誠会も、数年前までは職員離職率は全国平均(13~14%)より僅かに高く、新規採用も
自前では困難で、有料職業紹介も活用していた。しかし、平成 27 年に事務局長に着任した古
口氏は「高額な紹介料は、職員の処遇改善に使いたい。安定的により良い介護を提供し、職員
も幸せに最後まで働ける事業所にしたい」と考え、理事長の想いを踏襲し組織運営の在り方を
抜本的に見直したという。
運営のポイントは「稼働・採用・離職」の指標を重視し、それを明確にしたことである。収
入が安定しないと設備投資も職員への還元もできない。このため、収支のバランスを整え、安
定的に職員採用ができる仕組みを構築し、離職率を抑える取組みを実施してきた。
離職理由を徹底把握し、再発防止で離職率は 1 桁(9%)へ
まず、賃上げのみで離職が止まるという古い観念から脱却し、離職抑制の取組みとして、離
職予定者に多面ヒアリング(施設長、副施設長、リーダーの計 3 回)を実施し、徹底的に離職
真因の把握に努めた。そして、改善可能なこと、不可能なことを峻別し、改善可能な点は基本
的なことも含め一つずつ改善していくように取り組んだ。
また、職員に、職員一人ひとりの経営者意識の重要性を繰り返し伝えながら、若手・中堅職
員主体のプロジェクトを立ち上げ、施設の設計から運営、採用に至るまで、風通し良く意見を
出してもらうことで、現場の効率化と職員エンゲジメントの醸成を図ってきた。
その結果、職員離職率は令和 7 年度には 1 桁(9%前後)になり、組織全体として職員間に
医療・介護・福祉を支える現場の現状と、2040年を見据えた課題と対応の方向性
り、採用したくてもなかなかできない事業所が多い。しかし、そのような中でも、職員の離職
1
章
多くの介護事業所で職員の不足感が続く中、介護関係職種の有効求人倍率は高い水準にあ
第
取材事例①
これからの医療・介護・福祉の現場で働くことを考える
おいても経営者意識の素地が培われているという。
古口氏は「もちろん全ての職員に経営者目線を求めているわけではない。経営者目線を持つ
ことの重要性を 6~7 割の職員が理解してくれることが目標。そうすれば、組織として挑戦す
ることの実効性の底上げが叶う」という。
職員の主体性と独自ブランディングで、採用コストは実質「ゼロ」で、安定的に人「財」
確保
組織の挑戦として、採用については、有料紹
介・有料求人を使わず、ゼロコスト運用を徹底
し、経営者意識を持った職員が主体的に取り組
んでいることが挙げられる。
独自の「KSK35」プロジェクトにより「自
分たちで自分たちの職員を集める」文化が醸成
された結果、従業員 350 人ほどの光誠会にお
いて、賃金も標準的水準である中、継続的に年
間 40~60 名の新たな人材を確保することがで
きるようになった。そのうち、3 割程度は新卒
採用であり、人手不足を心配することなく、職
員教育と質の高い介護の提供に注力できるよう
(アニメーション学校とタイアップした光誠会の採用パ
ンフレット)
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厚生労働白書
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