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令和8年版 厚生労働白書 (124 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf
出典情報 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》
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また、利用者のリカバリー

を追求していくためには「支

援員(ソーシャルワーカー)

く必要がある。そのため、

を独自開発(福祉DX)した。

章

2

2040年に向けた、医療・介護・障害福祉の現場における取組み―テクノロジー(ICT、AI、ロボット等)の活用による生産性向上―

第

ができること」を拡げてい

110

パパゲーノでは2024 年に

音声解析 AI支援記録アプリ
これは、スマホの録音ボ

タンを押すだけで面談記録

やケース会議の記録を AI
が音声を自動で文字起こ

し・要約することができるアプリで、支援者の記録の時間的・心理的負担を軽減し、スタッフ
間での情報共有を円滑にする。自社のみならず他社の支援現場でも活用できる仕様のものだ。
パパゲーノ W&R では、毎月支援員が行う業務(記録作成、個別支援計画の下書き等)の

「153 時間分」の仕事をこの AI 支援記録アプリが担っている。これは人件費換算だと月 20 万
円分に当たる。パパゲーノ W&R の支援員は、その時間を利用者への伴走支援に充て、リカバ
リーの実現に取り組んでいる。

多くの福祉事業所が AI 導入を躊躇う理由は、AI 知識・スキルを持つ者が少ないことや、自

治体毎に異なる文書書式やルールの存在がある。

一般的な SaaS*2 は統一フォーマットを前提にしており、現場の多様な書式に適応しにくい

が、パパゲーノの AI 支援記録アプリは、現場が使っている Excel や Word の書式をそのまま

AI に読み込ませ、音声記録やテキストから自動で各種様式に下書きを生成するため、既存の
書式を変えずに導入できる。そのメリットにより導入ハードルが格段に下がり、すでに相談支
援事業所や就労支援事業所などが導入し、記録作業の大幅削減や残業時間の減少などの効果が
現場から報告されている。

そしてこの AI 支援記録アプリの開発・導入支援は、パパゲーノ W&R の利用者が関わって

いる。

ソーシャルワーク 4.0 と今後の展望

このような AIをフル活用して、利用者の個々のニーズに合わせ、伴走し、リカバリーを実現して

いくのが、田中氏が掲げる「ソーシャルワーク4.0」だ。AIは、利用者の「できる」や「選択肢」を
増やす社会参加の手段であり、支援者は、そのAIを活用して、利用者の行動により良く伴走する。

そして、AI 導入は支援者の働き方にも大きな変化をもたらした。同社の調査*3 では、「AI 活

用のルール整備は給与よりも職員満足度への影響が約 2 倍高い」という結果が出た。記録作成

に追われる負担が減り、利用者との対話に時間を使えることが若い世代の支援者に高く評価さ
れている。実際、パパゲーノ W&R では、YouTube での情報発信も相まって、支援者の応募
も、利用者からの問い合わせも多い。

一方、このような AI 導入をはじめとする福祉 DX の普及には課題も多い。田中氏によると

「人員配置基準により生産性向上が経営改善につながりにくいこと、自治体によっては電子署

名・電子保管を認めていないこと、そして汎用 AI の無断利用が個人情報流出リスクを伴うこ
と」が挙げられるという。

実際、同調査によると、生成 AI を記録作成に使った経験がある職員は 48.2%にのぼる一方、

* 2 「Software as a Service」の略でインターネット経由でソフトウェアを利用できるサービスのこと。
* 3 パパゲーノ AI 福祉研究所「介護・障害福祉現場における生成 AI 活用に関する調査」(2025 年 12 月 21 日公表、調査期間:
2025 年 11 月 25 日~12 月 6 日、調査方法:Google フォームによるオンライン調査)

令和 8 年版

厚生労働白書