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令和8年版 厚生労働白書 (122 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf
出典情報 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》
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林氏は「私たちは、DX を流行だからやるのではなく、理念を実現するために、専門職員が

わざわざ『やらなくていい仕事』を減らすためのツールとして、当たり前にテクノロジーを活
用しました」と語る。
第
章

記録・文書作成・報酬請求

2040年に向けた、医療・介護・障害福祉の現場における取組み―テクノロジー(ICT、AI、ロボット等)の活用による生産性向上―

2

総務・人事・労務・給与

108

業

業種横断的

務
一

覧

業種別

全事業所での一貫した記録・請求データ管理、AIによる議事録作成、日程調整
ツール、AIによる経理の自動仕分け
センサーによるバイタルの自動測定、自動転記、関係事業所への展開
各種タスク進捗の本部-事業所間、法人全体での見える化
売上金の全拠点キャッシュレス決済化による入金、記帳等の業務圧縮
サーベイによるチーム、個人状態の把握、AIによる分析
AIによる転記、整合性チェック、記録起こし*

職員間の連絡調整

インカム、チャットツールの導入。全事業所間でのリアルタイム通信可能、オン
ライン会議の標準化

排泄介助

パワースーツによる身体的負担の軽減

食事介助(栄養管理や調理等の準備含
む)・入浴支援

リフト付きキャリーによる

移乗・移動・体位変換

リフト付き移動ストレッチャーパワースーツの使用による身体的負担の軽減

夜間巡視【主に施設・居住系】

睡眠時のセンサー導入により、睡眠状態や心拍のリアルタイム測定を行い、循環
頻度の削減。睡眠時以外は個室、トイレ、通路、共有スペース等に設置されたセ
ンサーにより、監視巡回をせずとも宿直室等で一覧管理できおおよその行動が把
握できることによる支援の不要干渉と巡回頻度の減少

清掃・洗濯・調理配膳等【施設・居住
系】

AI掃除ロボットの導入による世話人業務の削減

送迎・訪問等(スケジュール作成含む)
【主に居宅系】

マクロによるパターンの入力、車両管理による車両台数の効率化

(フラットで導入しているテクノロジー機器等)

人材戦略「永年共鳴する一流人材」を迎え入れる

そして、同法人の改革で最も大胆と言えるのが、人材戦略の転換だ。

法人は、いわゆる「業界の標準」に寄せるのではなく、外部の専門性や多様な知を積極的に

取り込む方向に舵を切った。

組織設計、人事、デザイン、データ分析など、これまで福祉分野では必ずしも主流ではな

かった一流の専門家を経営中枢に配置し、法人全体の経営水準を引き上げようとしている。

採用基準も特徴的だ。全方位の採用方針ではなく、選択と集中により、法人の理念に共感す

る者の採用に、多くのリソースを割いている。また、理念に強く共感し、改革にコミットする
人材に対しては、高い報酬や積極的な裁量権を付与する。逆に、理念に共感しきれない人材は
無理に採用しないという明確な姿勢を貫いている。

林氏は「福祉は『人ありき』の事業。だからこそ、人材戦略そのものが経営戦略の中核にあ

るべき。業界の中だけで完結していては、この業界の進化は望めません。外部専門家を登用す
るのは勇気のいることですが、他業界の知見を大胆に取り入れ、私たち自身が新しい『福祉の
標準(ブランド)』をつくっていくことが、この業界には必要です」

理念を軸に組織が変わる

もちろん、法人の理念に共感して一緒に働いてくれている職員であっても、本部主導の ICT

化や業務の集約化等の方針を進めていく過程では、彼らとの摩擦は生じた。法人理念の実現の
ため、職員には、組織の改革に理解をしてもらい、引き続きエンゲージメントを持って利用者
に伴走してもらう必要がある。

このため、同法人は、法人理念が現場で真の行動指針として実行されていくため、本部と現

場管理職、現場管理職と現場職員、本部と全職員とのコミュニケーションの機会を定例で設

け、振り返りと PDCA サイクルの共有を仕組み化する等に取り組み、繰り返し意思疎通を図っ
てきた。育成も兼ねて、理念が現場の行動指針として浸透するように取り組んでいる。

令和 8 年版

厚生労働白書