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令和8年版 厚生労働白書 (120 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf
出典情報 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》
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ロボットの導入に関するアンケート調査においても、
「気持ちに余裕ができた」
「利用者
によりよいケアが提供できるようになった」といった項目について、6 割以上が肯定的に
回答している*48。特に見守り支援機器の使用者では、「訪室しなくても利用者の状況が把
第
章

2

2040年に向けた、医療・介護・障害福祉の現場における取組み―テクノロジー(ICT、AI、ロボット等)の活用による生産性向上―

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握できるようになった」「利用者の行動パターンが分かるようになった」といった項目に
ついて、7 割前後と高い評価がみられた*49。これにより、訪室や対応のタイミングを判断
しやすくなったとする認識が示されている。
一方、
「身体的負担の軽減」については、移乗系機器使用者に限定すると 57.3%が肯定
的に回答しているものの、全体では 37.2%にとどまっており、機器の種類によって効果
の実感に違いがあることが示されている。他方で、
「精神的負担の軽減」については全体
で 54.9%が肯定的に回答しており、ロボット等の導入が、支援に対する不安の軽減につ
ながっている可能性が示唆されている。
このように、これまでに実施された調査研究事業等から、障害福祉分野においても、介
護分野と同様に、支援内容の記録業務等の ICT 化や見守り支援機器の導入・活用は、生
産性向上に資するとの分析がなされている。一方で、効果の現れ方は業務内容や勤務形
態、機器の種類によって異なることから、各事業所の実情に応じた活用・運用の工夫が重
要であることも明らかになっている。
障害福祉分野において、生産性向上といった観点を体系的に現場運営に取り入れる取組
みは、今後本格的に進めていく段階にある。このため、テクノロジーの活用についても、
単なる機器導入にとどまらず、
「生産性向上」という考え方を現場にどう位置付け、業務
や支援の在り方を見直していくかが、これからの重要な課題となっている。
以下では、こうした状況の中で、生産性向上の視点を取り入れ、ICT 等の導入を契機
として業務の整理や情報共有の改善に取り組んだり、テクノロジーを利用者支援に活用し
ている障害福祉分野における先行的な事業所の事例を紹介する。

取材事例⑫

「あたりまえを、あたりまえに」―テクノロジーと大胆な経営戦
略で臨む、障害福祉のブランドの改革(社会福祉法人フラット)

「当たり前の暮らしを取り戻すために」―そのような理念を掲げ、大胆な経営改革を行って

いる社会福祉法人がある。千葉県を拠点に就労継続支援事業など 23 の障害福祉事業を行う社
会福祉法人フラット(2016 年設立。13 事業所 23 事業を展開、従業員 160 名、平均年齢
37.6 歳)だ。

理事長の林氏は「従来の福祉の『当たり前』を一度すべて疑い、利用者の暮らしそのものを

起点に事業を組み立て直す必要がある。日本の福祉は長らく、制度の枠組みや加算要件を前提
に、いかに安定的に運営するかが優先されてきた部分があったが、そうした制度起点の手法で
は、利用者が『当たり前の暮らし』を実現するのは難しい。」と語る。このため、同法人は設

立時から、障害を持った人の「当たり前の暮らし」を取り戻すという極めてシンプルかつ本質
的な理念を掲げ、テクノロジーと大胆な経営戦略で、社会福祉のブランド変革に臨んでいる。

* 48 ロボットの導入による変化について、「そう思う」
「ややそう思う」の合計は、「気持ちに余裕ができた」は 60.0%、「利用者により
よいケアが提供できるようになった」は 66.7%であった。
* 49 ロボットの導入による変化について、
「そう思う」
「ややそう思う」の合計は、「訪室しなくても利用者の状況が把握できるようになっ
た」は 68.3%、「利用者の行動パターンが分かるようになった」は 66.6%であった。

令和 8 年版

厚生労働白書