令和8年版 厚生労働白書 (259 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf |
| 出典情報 | 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
現下の政策課題への対応
④厚生年金保険等の標準報酬月額の上限引上げ
標準報酬月額上限該当者は、負担能力に対して相対的に軽い保険料負担となっている。
今後、賃上げが継続すると見込まれる中で、保険料と保険給付額の算定の基礎となる標準
報酬月額の上限に該当する者について、負担能力に応じた負担とそれに応じた給付を実現
しつつ、厚生年金制度の財政の改善により、低年金者を含む全体の給付水準の底上げを図
るため、標準報酬月額の上限を 65 万円から 75 万円に段階的に引き上げることとされた。
具体的には、2027 年 9 月に 68 万円、2028 年 9 月に 71 万円、2029 年 9 月に 75 万円に引
き上げることとされている(図表 4-1-8)。
図表 4-1-8
厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ
改正のねらい
【 標 準 報 酬 月 額 別 の 被 保 険 者 数 分 布 割 合( 男 性 )】
10
※実施時期:68万
(2027年9月)
、
71万
(2028年9月)、75万
(2029年9月)
65万円
59,475円→59,475円
【実質+0円/月】
65歳時点の平均余命
男性:19.52年 女性:24.38年
66.5万円
~69.5万円
68万円
59,475円→62,220円
【実質+約1,800円/月】
+約150円/月(終身)
※10年間該当:+約1,500円
69.5万円
~73.0万円
71万円
59,475円→64,965円
【実質+約3,700円/月】
+約300円/月(終身)
※10年間該当:+約3,000円
73.0万円~
75万円
59,475円→68,625円
【実質+約6,100円/月】
+約510円/月(終身)
※10年間該当:+約5,100円
4
上限である
標準報酬65万円以上
の割合
9.6%
(243万人)
2
0
(万円)
2
4
6
8
10
■ 健康保険(2023年3月)
139
※男女計では、
6.5%(278万人)
75
71
68
65
今回改正
※
年金額(2024年度価格)
※1年間該当した場合の概算額
63.5万円
~66.5万円
6
■ 厚生年金保険(2024年6月)
実質的な負担増額は、
社会保険料控除を考慮したもの
(限界税率は所得税23%・住民税10%と仮定)
○保険料
(標準報酬月額×保険料率×1/2)
○年金額(標準報酬月額等に応じて算出)
財政の改善による
厚生年金増加
・上限引上げの対象者
⇒ 保険料・年金額ともに増加
「標準報酬月額」
の増により
保険料増加
現行制度 上限引上げ後
・上限引上げの対象ではない者
⇒ 年金額のみ増加
保険料は変化なし
現行制度 上限引上げ後
厚生
年金
基礎
年金
現行制度
厚生
年金
基礎
年金
現行制度
「標準報酬月額」の増
により厚生年金増加
基礎年金は変化なし
上限引上げ後
財政の改善による
厚生年金増加
基礎年金は変化なし
上限引上げ後
(出典)
厚生労働省年金局
「厚生年金保険・ 国民年金事業月報」
(出典)
厚生労働省保険局
「健康保険・船員保険事業年報」
(注)
協会けんぽ及び健康保険組合に
属する者の値
8.8
(注)
第1号厚年被保険者の値
(%)
10
8
※
6
4
2
0
2
4
6
8
10
今回の見直しによる給付水準への影響は+0.2%(厚生年金)
4
若者も高齢者も安心できる年金制度の確立
報酬月額
標準報酬
該当者の保険料の変化
※賞与除く賃金
月額 【 】内は実質的な負担増額
8
章
〔保険料と給付の計算に用いる
「標準報酬月額」
の上限を引上げ〕
標準報酬月額の上限を、
65万円から75万円に3年間かけて段階的に引上げ
第
○ 保険料と給付の算定に用いる
「標準報酬月額」
の上限を超える収入の方は、
実際の賃金に占める保険料の割合が他の方よりも低くなっています。
賃金上昇の継続を見据え、
世代内の公平のためにも、
上限に該当されていた方に、
本来の賃金に応じたご負担をいただき将来の給付を手厚くします。
・ 新しい
「標準報酬月額」
に該当する方は、
足下の保険料とともに将来の年金額が増加します。
・ 厚生年金制度の財政が改善することで、
年金額の低い方も含めた厚生年金全体の給付水準も底上げされます。
⑤今後の課題
令和 7 年年金改正法の検討規定では、今後の課題として公的年金の所得再分配機能の強
化、被用者保険の更なる適用拡大、基礎年金の保険料拠出期間の延長及び第 3 号被保険者
の在り方についての検討が盛り込まれた。
被用者保険の更なる適用拡大について、社会保障審議会年金部会における議論の整理に
おいては、複数事業所の勤務者への被用者保険の適用等について引き続き検討を行うこと
とされている。
基礎年金の保険料拠出期間の延長は、健康寿命が延伸し、高齢者の就労が進む中、基礎
年金の給付水準を向上させるための一つの有効な方策である。他方、令和 6 年の財政検証
において前回の検証と比べて所得代替率が改善したことが確認されたことや、追加的な保
険料負担を求めることとなること等を踏まえ、令和 7 年年金改正法での対応は見送ること
となった。引き続き今後の検討課題とされている。
令和 8 年版
厚生労働白書
245