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令和8年版 厚生労働白書 (105 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf
出典情報 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》
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第1部

これからの医療・介護・福祉の現場で働くことを考える

せることで、排泄介助の適切なタイミングが示され、そのタイミングで排泄介助に入れるよう
になり、巡回数は激減した。また、利用者にとっても、定期的な巡回時に睡眠が妨げられるこ

り、記録・申し送りのデジタル化が実現し、手書きのメモや転記作業、会議は不要となり、記

2

的な運営にならないと考え、自社で介護記録ソフト「SCOP home」を開発した。これによ
録業務は 76%効率化、申し送り・伝達業務は 74%も効率化し、間接業務が激減した。
ボットも導入し、職員と利用者双方の身体的負担の軽減も図っている。

生産性向上により職員給与は向上

このように、テクノロジーの導入と業務改善により、善光会では全国平均と比較して、職員

により効率的に働いてもらうことが可能となったことで、職員の働き方改革が進むとともに、

収支差率も優位となり、令和 7 年度の介護職員一人当たりの月額給与は約 38 万円*2 と全国平
均(31.4 万円*3)よりも高い給与水準となっている。また、収支差率の優位性はさらなるテク

ノロジーへの投資につながる流れを生み出し、好循環の事業運営となっている。

テクノロジーの導入で「持続可能な介護」へ

善光会では、このような現場でのテクノロジーの導入・実証の取組みを通じて得た実データ

を、現場の改善に還元するにとどまらず、それらを介護業界全体のオペレーションの質と効率
の向上につなげ、介護サービスの持続性を推進していくため、介護機器メーカーの開発支援、
スタートアップ企業支援、事業所で介護 DX を推進するための人材育成、地方自治体との協働
や、海外企業の連携等を行っている。

少子高齢化による介護人材不足や社会保障費の増大といった構造的課題がある中、介護 DX

が介護分野全体に普及し、介護現場の様々な課題がテクノロジーで解決していく「未来型介

護」により、善光会は「利用者の方が最後まで人間らしく生きることをサポートする」という
思いを、ひとつずつ、確実に積み重ねている。
*2
*3

賞与・残業代含む。
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく令和 7 年の介護職員の平均賃金。賞与込み給与は、調査年の 6 月分として支
払われた給与に調査年の前年の 1 月から 12 月分の賞与の 1/12 を加えて算出した額。

取材事例⑪

リーダーシップに基づく介護テクノロジーの導入による「現場改革」と「経営改善」
-ノーリフティングケアからAI記録までの統合的展開の取組み-(社会福祉法人大翔会)

介護現場の人手不足が深刻さを増す中で、「人を増やす」以外の解で、真正面から挑戦して

いる法人がある。

大分県の社会福祉法人大翔会(2014 年設立。11 事業所、23 事業を展開。従業員 212 名、

平均年齢 50.5 歳)だ。

大翔会は、少人数でも質の高い介護を継続的に実現していくため、「職員の身体的負担の軽

減」
「ケアの質の維持・向上」
「持続可能な運営体制の構築」を目的に、介護 DX のテクノロジー
を次々と導入し、現場で継続的に使われる仕組みへと進化させてきた。

介護現場のデジタル化と介護手法の変革を一体的に推進する大翔会の取組みは今、注目を集

めている。

令和 8 年版

厚生労働白書

2040年に向けた、医療・介護・障害福祉の現場における取組み―テクノロジー(ICT、AI、ロボット等)の活用による生産性向上―

この他、体力が必要な移乗支援や入浴支援では、移乗支援機器や入浴支援機器などの介護ロ

章

また、善光会では、日々の業務を見直していく過程で、既存のテクノロジーの導入では理想

第

とがなくなり、安眠できるようになったという。

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