令和8年版 厚生労働白書 (338 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf |
| 出典情報 | 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》 |
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こうした状況を踏まえ、2016(平成 28)年 11 月、
「結核に関する特定感染症予防指針」
を改正し、直接服薬確認療法(Directly Observed Treatment, short-course:DOTS)
を、地域の関係機関が連携し、患者の生活環境に合わせて実施することや、患者数に見
合った結核医療提供体制を確保すること等について盛り込んだ。第 9 回厚生科学審議会結
核部会(2018(平成 30)年 2 月 26 日)においては、80 歳以上の高齢者への対策強化や
入国前結核スクリーニング(Japan Pre-Entry Tuberculosis Screening:JPETS)を推
進していく方針を固めた。
入国前結核スクリーニングは、日本に入国・中長期在留しようとする者のうち、日本国
内の外国生まれの新登録結核患者数の多いフィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパー
ル、ミャンマー及び中国の国籍を有する者に対して、日本に入国する前に胸部レントゲン
検査等を行い、結核を発病していないことを証明する資料の提出を求める制度である。こ
のうち、2025(令和 7)年 3 月からフィリピン及びネパール、2025 年 5 月からベトナム
に対して制度を開始した。関係省庁(出入国在留管理庁、外務省等)等と、制度開始後も
円滑な実施に向けて連携していく。
健康で安全な生活の確保
第
章
7
また、多剤耐性結核治療及び潜在性結核治療について、新たな知見の登場により関係学
会が治療指針の見直しや治療に対する考え方を新たに公表したことを受けて、2021 年 10
月 18 日付けで結核医療の基準(平成 21 年厚生労働省告示第 16 号)の一部を改正した。
厚生労働省としては、健康診断、公費負担医療、予防接種、DOTS による対策、地域
医療連携体制の強化、入国前結核スクリーニングなど、総合的な結核対策を推進してい
く。
4 エイズ(AIDS/後天性免疫不全症候群)対策について
国連合同エイズ計画(Joint United Nations Programme on HIV/AIDS:UNAIDS)
によると、全世界のヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus:HIV)
感染者は、2024(令和 6)年末で 4,080 万人に上ると推計されている。
我が国の状況を見ると、2024 年の新規 HIV 感染者・エイズ患者報告数は 994 件とな
り、2022(令和 4)年から 2 年連続で増加している(図表 7-3-2)。内訳としては、エイ
ズ患者報告数の増加がみられており、要因としては、新型コロナウイルス感染症の流行等
により保健所等での HIV 検査件数が減少していたことにより、エイズを発症するまで診
断を受けていなかった患者が増えている可能性や、外国国籍のエイズ患者報告数の増加に
よる可能性があるが、そのトレンドが変わってきている可能性も疑われるため、今後の状
況を注視していく必要がある。
累積 HIV 感染者報告数は 25,194 件、累積エイズ患者報告数は 11,181 件(いずれも血
液凝固因子製剤の投与に起因する感染者数 1,440 件を除く。)となっている。エイズを発
症した状態で HIV に感染していると診断される者は、新規 HIV 感染者・エイズ患者報告
数の約 3 割を占めており、コンドームの適切な使⽤、早期診断及び早期治療につながる検
査、U = U*10 の考え⽅を踏まえた適切な治療等を含めた、複合的な対策により、感染予
* 10 Undetectable = Untransmittable。治療によりウイルス量が⼀定基準未満に抑え続けられていれば、性⾏為により他者に感染す
ることはない
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令和 8 年版
厚生労働白書