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令和8年版 厚生労働白書 (82 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf
出典情報 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》
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り早期で適切な患者介入やタスクシフト/シェアが進んだ。

新デバイスや生成 AI で広がる DX
第
章

2

2040年に向けた、医療・介護・障害福祉の現場における取組み―テクノロジー(ICT、AI、ロボット等)の活用による生産性向上―

68

HITO 病院では、スマホ

やチャットの基盤の上に、

新たなデバイスや生成 AI
の活用にも取り組んでい
る。

2019(令和元)年には、

スマホ上で院外でも電子カ

ルテの閲覧・データ入力ができるモバイルカルテを導入した。これにより、待機医師の時間外

呼び出しや休日回診が減少し、SCU(脳卒中集中治療室)では週休 3 日の勤務体制を実現す
るなど、医師の働き方改革に大きく貢献している。

また、新型コロナの感染拡大が続いていた 2021(令和 3)年には、新人看護師に 1 人 1 台

タブレットを貸与するとともに、e ラーニング環境を整備した。臨床実習が十分に受けられず、
不安感を抱く方が多いと考えられたことから、試験的に導入したものであるが、新人看護師の
離職者が 1 人いるかいないか程度に減少し、また、指導側の看護師も履修状況・習熟度を把握
しやすく、負担軽減につながった。

さらに、2022(令和 4)年からは、遠隔で視点映像を共有できるスマートグラスを在宅医

療等に活用し、訪問看護(施設)スタッフと病院専門職をリアルタイムでつなげ、病院専門職
が遠隔支援しながら処置等を行うことにより、医療の質の向上につなげている(例えば、嚥下

障害をもつ高齢者の誤嚥性肺炎による再入院が 2021 年度の 13 人から 2023(令和 5)年度の
1 人まで大幅に減少した)。

生成 AI については、対話検索型の学習支援機能は日々の業務の中で広く活用されており、

文書作成支援機能も使われ始めている。

また、多言語対応の翻訳機能を使って、海外出身の看護補助者が 1 人でもコミュニケーショ

ンしやすい環境を整備し、夜勤帯に勤務してもらうことで、夜勤帯勤務の看護師の負担を軽減
するとともに、診療報酬の算定対象とし、増収につなげている事例もある。

さらに、2025(令和 7)年 11 月には、電子カルテに生成 AI によるカルテ要約機能を実装

し、業務効率化を図ったが、今後は RPA・生成 AI・クラウド基盤を活用し、経営・ベッドマ
ネジメント・病棟業務の状況を、対話型インターフェースで誰もが直感的に把握・最適化でき
るようにし、限られた人材で質の高い医療を支える取組みを進めていく予定である。

DX が支える、多職種協働による新たな病棟運営
HITO 病院は、DX を活用し、日々の業務運

営を変革するのみならず、2020(令和 2)年
には、新しい病棟の運営体制である「多職種協
働セルケアシステム ®」を構築した。

病棟内を複数のセルに区分し、セルごとに看

護師やその補助者、セラピストなどがチームを
組み、担当セル内に常駐して患者をケアする仕
組みだ。

従来は、引き継ぎ・相談をナースステーショ

ンで実施し、患者に呼ばれてからベッドに向か
うのが通常であったことから、タイムラグが生

じていたが、チャットを使えば場所に縛られずに情報共有できるため、より患者の近くでケア

令和 8 年版

厚生労働白書