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令和8年版 厚生労働白書 (53 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf
出典情報 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》
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第1部

これからの医療・介護・福祉の現場で働くことを考える

古口氏は、2040 年に向け人材不足で介護事業所は「選ばれる施設」と「そうでない施設」

先としても選ばれる事業所を目指して、職員や地域の関係者とともに取り組んでいる。

取材事例②

地域の高齢者が支える介護の現場~介護助手としての活躍~
(医療法人緑の風 介護老人保健施設「いこいの森」
)

三重県津市河芸町、最寄り駅からのどかな住宅街をしばらく歩いた所に、医療法人緑の風が

運営する介護老人保健施設「いこいの森」はある。外来診療所を併設したこの施設には、今日
も地域の高齢者たちが働きに集まる。彼らの肩書は「介護助手」70 代は当たり前、80 代を超
える方もいるという。

「元気な高齢者の力を地域に生かす」この理念のもと、いこいの森が取り組む介護助手モデ

ル事業について、お話を伺った。

「介護職は介護に専念してほしい」という思いから始まった試み

「介護職は、本来もっと利用者さんと向き合える専門職なのですが、現場は周辺業務に追わ

れていました」

そう話すのは、施設の介護長である荒木芳枝さん。

かつて介護職が担っていた仕事は、多岐にわたっていた。ベッドメイキング、荷物の準備や

チェック、ゴミ出し、風呂掃除、食事のセッティングなど、これらの周辺業務が日々積み重な
り、残業は常態化していた。

通所などを含めた利用者の出入りは 1 日平均 80 名。夕方に退所する利用者の対応が重なる

と、職員は 18 時、19 時まで現場に残ることもザラだった。

医療・介護・福祉を支える現場の現状と、2040年を見据えた課題と対応の方向性

の二極化が進むのではないかと語る中で、光誠会は、地域の中で、利用者のご家族からも就職

1

章

「稼働・採用・離職」の三本柱の指標を安定させ、持続的運営と好循環につながっている。

第

なっており、このような施設のハード面も含めた開放的運営が、職員の主体性を引き出し、

「これでは本来のケアができない。職員が疲弊してしまう」

そこで、2015(平成 27)年に施設長である東憲太郎さんの肝いりで、「元気高齢者による

介護助手モデル事業」
(以下、
「事業」という。)を導入した。

地域住民の高齢者が現場を支える

事業導入の背景には、東施設長が医師としても地域に関わる中で、「定年後も働きたい」「地

域の役に立ちたい」と望む高齢者の声を多く耳にしてきたことがある。

施設の近隣には、高齢者が多く住む団地が広がっていることもあり、事業を導入した 2015

年に 12 名だった入所介護助手は、2026(令和 8)年 2 月時点で 26 名にまで増えた。県内の
老健施設でも突出した数字である。

しかし、数だけではない。事業を継続でき

ている大きな理由は、
「業務の線引きの明確さ」
にある。

「何をするか」が明確にわかる

介護助手が担うのは、周辺業務のみ。身体

介護や専門ケアには絶対に踏み込ませないと
いう方針が徹底されている。

さらに、業務は個人ごとに固定している。

例えば、○曜日早朝担当の A さんは、毎週同

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