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令和8年版 厚生労働白書 (84 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf
出典情報 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》
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る村岡氏を取材した。

看護の現場から進めた ICT 等の導入
第
章

2

2040年に向けた、医療・介護・障害福祉の現場における取組み―テクノロジー(ICT、AI、ロボット等)の活用による生産性向上―

70

村岡氏は、
「デジタル技術や ICT、特に、看護師の気づきをサポートする技術は、業務の効

率化のみならず、医療の質向上に貢献する。また、働き方改革の一環として、これらは避けて
は通れない」と語る。

関東病院は、基本方針の一つとして「ICT の医療への活用と社会への還元」を掲げており、

経営陣も含め病院全体で新しい技術を受け入れやすい風土があった。

こうした中で、2015(平成 27)年に、村岡氏が中心となって、看護部とも連携しながら、

患者を中心とした物・人・情報の流れを可視化し、問題点及び改善点を整理・分析するととも
に、タイムスタディ調査を実施し、看護の臨床現場へのデジタル技術や ICT の導入計画を作成
した。

この計画も踏まえながら、医療安全対策を優先して、デジタル技術や ICT の導入を進めてき

た。

具体的には、患者の便座からの立ち上がりを検知・発報し、転倒・転落を防止する「離座セ

ンサー」
、患者の睡眠と覚醒をモニタリングし、睡眠時間を確保するための看護をアシストす

る「睡眠センサー」、患者と医療スタッフが患者情報を共有する「ベッドサイドモニター」、
PDA(個人携帯端末)にかざすだけで測定値を電子カルテに記録し、測定値の誤入力防止と
記録時間短縮を図る「通信機能付きバイタルサイン測定機器」等を全病棟に導入してきた。

また、モバイル PC(電子カルテ端末)と PDA を、勤務する看護師が 1 人 1 台保有できるよ

うに配備し、看護師がナースステーションに戻らずに看護業務が遂行できる体制を整備した。

ICT 等を先行実装する DX 推進病棟

2022(令和 4)年 10 月には、関東病院に、
「医療の質の向上」、
「医療従事者の働き方改革」、

「間接費用の削減」という目的を掲げて、病棟をまるごと改修し、新しいデジタル技術や ICT
をふんだんに取り入れた「DX 推進病棟」が開設された。

DX 推進病棟には、全病棟に導入された技術に加えて、薬剤使用の監査、取り間違いによる

誤投与防止等を自動で行う「スマート薬品庫」、治療・検査の説明や病院等の紹介を画像で行
う「患者用タブレット」
、内視鏡センターと病棟との連絡業務を効率化(電話連絡→電子ホワ
イトボードによる共有)する「患者情報連携ソリューション」等が導入されている。

DX 推進病棟は、新しいデジタル技術や ICT を全病棟に導入するに当たって、まずはここで

運用を行い、効果等の評価を行った上で、他の病棟に水平展開するといった役割も求められて
いる。

「早期警戒システム」がその一例である。このシステムは、電子カルテ、心電図モニター、

睡眠センサー等から必要な患者データを収集・一元管理し、容態急変のリスク判定を行うとと

もに、高リスクと判断された場合は、ナースコールと連動し、担当看護師の PHS に接続され
ることで、早期対応を看護師に促すものである。まずは、DX 推進病棟において運用を行い、

院内急変コール発生件数の減少(導入前の 6 か月:18 件→導入後の 6 か月:10 件)等の評価
を踏まえ、全病棟に水平展開を行った。

令和 8 年版

厚生労働白書