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令和8年版 厚生労働白書 (121 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/26/dl/zentai.pdf
出典情報 令和8年版 厚生労働白書(9/29)《厚生労働省》
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第1部

これからの医療・介護・福祉の現場で働くことを考える

福祉の再定義からの「理念」構築

同法人がまず取り組んだのは、福祉のゴールそのものをゼロから問い直す作業だった。

このため支援者とは、障害のある利用者を「助ける専門職」ではなく、
「本人の意思決定に

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そが福祉の本質だ」と語る。これこそ、同法人の理念の中心である。

伴走する専門職」であり、本人の挑戦や試行錯誤の機会を奪わず、実現に向けて方法を探し尽
ジェクトを通じて、すべての職員に徹底して共有してきた。

「理念」起点の事業モデルへ―テクノロジーの活用―
理念の刷新に続いて、同

法人は組織構造そのものの

「幅広い事業展開」

こでも中心となったのは

(=トータルでサポートする)

再設計にも踏み出した。こ
「理念」起点での経営改革
である。

林氏は「これまで福祉業

界では、制度との整合性や

経営の安定性が経営判断の
基準として最優先される傾
向があったが、制度が先に
あり、利用者の暮らしが後
に来る構造では、理念は形

骸化する。だからこそ、ま
ず『その人が自分らしく生

きられるか』を最上位に置
く。そこから逆算して事業

や組織を考えるべきだと判
断しました」と語る。この
方針により、法人は組織の
機能配置を大きく見直し
た。

人から必要とされ、社会の役に立つこと、収入を得て趣味を楽しむ自由など、働くことでし

か得られない喜びがある。でも、仕事がない、何ができることなのか分からない、何がやって
みたい仕事なのかも分からない利用者は多い。それなら事業の中で様々な「働く選択肢」を用
意しよう、それが同法人の 23 事業への展開につながっていった。

そして、同じ法人内でも、これまで各事業所単位で行っていた事務・総務・労務などの管理

業務は、法人本部に集中させ、現場職員は利用者の支援とアセスメントに専念できる形へシフ
トさせていった。

さらに、テクノロジー機器や AI を積極的に導入し、日々の記録作業や定型化できる事務業

務を「見える化」
「データ化」して、徹底的に職員がしなくてもよい仕事を削減することで効

率化を図るとともに、それらを仕組み化することで、正確かつ効果的な管理と支援を行えるよ
うに改革してきた。

今では 23 事業の各請求業務は本部のパート職員 1 名のみで完遂し、現場の専門職員による、

目の前にいる利用者の暮らしに向き合う時間は最大化する設計へ変わりつつある。

令和 8 年版

厚生労働白書

2040年に向けた、医療・介護・障害福祉の現場における取組み―テクノロジー(ICT、AI、ロボット等)の活用による生産性向上―

くすことが役目であると、福祉の専門性を改めて組織内で再定義し、職員研修や部門横断プロ

章

ない。本人が何を望み、どう生きたいのかを出発点として、その実現を専門的に支えることこ

第

林氏は「福祉とは、安全に管理することでも、困りごとに一方的に手を差し伸べることでも

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