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資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (946 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00052.html
出典情報 第85回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第14回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(10/7)《厚生労働省》
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ては主にファイザー製、武田/モデルナ製の mRNA ワクチンが使用され
ており、その副反応として心筋炎および心膜炎が報告されているが、
具体的な臨床経過についての報告は少ない。今回ファイザー製 SARSCoV-2 ワクチン(以下、ファイザー製ワクチン)を接種後に急性心筋炎
を来した 1 例を報告する。

【症例】13 歳男児。特記すべき既往なし。2 回目のファイザー製ワク
チンを接種し、同日夜間に発熱、翌日に胸痛と嘔気を訴えた。胸痛は
改善傾向にあったが、再増悪を認めたため、接種後 3 日に前医を受診
した。心筋逸脱酵素の上昇と心電図で ST 変化を認めたため心筋炎を疑
い当院転院となった。入院時の検査で心電図の下壁誘導および左側胸
部誘導で ST 上昇を認めた。血液検査でトロポニン I が 7146pg/ml と著
明な上昇を認め、急性心筋炎と診断した。不整脈は認めず、
BNP63.1pg/ml と軽度上昇に留まり、レントゲンで CTR 42%、エコーで
LVEF 69%と心機能は保たれていた。軽症の心筋炎として慎重なモニタ
リング下に経過観察とした。入院後は無症状で、接種後 4 日にトロポ
ニン I はピークアウトした。接種後 6 日には心電図の ST 変化も改善し
たため、退院とした。

【考察】mRNA ワクチン接種後の稀な副反応として心筋炎および心膜炎
の報告がある。若年男性に頻度が多く、軽症例が主体とされている。
本症例においても胸痛の症状と心筋逸脱酵素上昇、心電図変化を認め
たが心機能は保たれ、不整脈も認めなかった。循環動態に変化を来す
ことなく軽快退院に至る軽症例であった。

【結語】小児におけるファイザー製ワクチン接種後の急性心筋炎を経
験した。今回は軽症例であったが重症化の可能性は否定できず、慎重
な経過観察が必要と考えらえた。今後ワクチンの若年層への適応拡大
に伴い、注意すべき合併症の一つと考えられた。

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