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資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (165 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00052.html
出典情報 第85回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第14回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(10/7)《厚生労働省》
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後 24 時間以内)よりも遅かった。

過去の報告では、ワクチン接種前後の腎機能障害の程度やタンパク尿
の量は特定されていなかったが、本症例ではクレアチニンの上昇、ネ
フローゼ域のタンパク尿および肉眼的血尿が認められた。

これは我々の症例の IgAN 再燃の重症度が以前の報告で言及されたもの
より有意であったことを示し、なぜ臨床的改善が過去の報告内のそれ
より遅れたのか(改善傾向は疾患発現の 2 か月後でさえ続いていた)
の理由も説明できるかもしれない。

著者は SARS-CoV-2 ワクチンによる免疫介在性糸球体疾患の悪化が IgAN
の悪化のメカニズムである可能性があると推察した。

本症例の著しく減少した血小板数は肉眼的血尿と同時に起きた。

血小板減少症、特に TTP、溶血性尿毒症症候群およびその他の二次性
TMA を含む TMA を診断するためのさまざまな検査は陰性であった。

頭蓋内血管に血栓形成はなく、抗血小板抗体および血小板第 4 因子の
結果は陰性であったため、SARS-CoV-2 ワクチン関連の血栓形成に伴う
血小板減少症は否定的であることが示唆された。

これはファイザーワクチンでは報告されていないため、つじつまが合
っている。

よって、SARS-CoV-2 ワクチンと血小板減少症との因果関係は患者が自
然に回復したとしても不明である。

血小板減少症の治療に関しては、本症例では PE の効果も不明であっ
た。

結論として、SARS-CoV-2 ワクチンは IgAN など既知の腎疾患および潜在
性腎疾患の両方を悪化させる可能性がある。

しかしながら、これは既知または潜在性の腎疾患のある人にワクチン
接種を避けるべきであることを意味するのではなく、むしろ SARS-CoV2 ワクチン接種後に確定診断の有無にかかわらず腎疾患を発症/悪化さ
せた患者にもっと注意を払う必要があることを意味している。

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