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【参考資料2】令和6年度事業報告書(健康保険事業) (90 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63465.html
出典情報 全国健康保険協会業績評価に関する検討会(第45回 9/25)《厚生労働省》
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政策の観点では、日本の特異的な健康保険の仕組みを活用することで、一般集団に
おいて心電図異常が長期予後と関連していることを明らかにした(プロジェクト④1)。また、心不全患者における退院支援加算制度の導入と30日以内の再入院との関連
を検討した結果、明らかな再入院抑制効果は認められず、本制度のより詳細な検討の
必要性が示された(プロジェクト④-2)。
以上のプロジェクトを通して、社会・環境因子、既往歴、薬剤、政策を含む多角的
な視点から、生活習慣病のリスクおよびそのうつ病との関わりについて明らかとな
り、被保険者の健康増進に向けた新しいエビデンスを提供することができた。


(図表4-41)外部有識者を活用した調査研究 第3期 採択案件①~④、第4期 採択案件①~
③の中間報告]
研究課題名
第3期 ①

『協会けんぽにおける今後の保健事業等の基盤整備を目指した調査分析』

研究代表者

東京大学 未来ビジョン研究センター 特任教授

井出 博生

成果の概要

本調査研究では4つの分析課題を取り扱った。前半2つは指定テーマ型研究である

(2年目の

特定保健指導に関連し、(1)効果的な特定保健指導内容の分析、(2)特定保健指導リピ

中間報告)

ーター対策に関する分析を行った。後半の2つは自由提案型研究であり、(3)コロナ前
後における医療機関受診・医療費の変化に関する分析、(4)加入者の傷病と離職に関
する属性別・業態別・地域別の分析を行なった。
特定保健指導に関する2つのテーマに関して、①効果的な特定保健指導内容の分析
では、初回面接時に対象者の健診結果や生活習慣改善意欲に応じた高い目標値を設
定することは、対象者のモチベーションを上げ指導中断し難くなると共に検査値の
改善に寄与する可能性が示唆された。また、②特定保健指導リピーター対策に関する
分析では、特定保健指導実施者における積極的支援からの改善有無は性別、年齢、積
極的支援の終了・中断、生活習慣の改善意欲等との関連が確認された。
③コロナ前後における医療機関受診・医療費の変化に関する分析では、医療費につ
いては、新生物の場合、第一次緊急事態宣言下ではどの層においても平均医療費の減
少が認められたが、第二次以降では、外来診療では男女ともに、入院診療では男性に
おいて平均医療費の増加がみられた。一方で呼吸器系疾患では緊急事態宣言の実施
期間にかかわらず、外来診療では全期間を通して男女ともに平均医療費の減少が持
続していたことなどがわかった。
④加入者の傷病と離職に関する属性別・業態別・地域別の分析では、性別や年齢だ
けではなく、離職に対して被扶養者数、標準報酬月額、決定点数等の効果が存在し、
業態別の違いも大きいことが示された。生活習慣病のうち糖尿病は離職リスクを高
くすることを確認した。
本調査研究から得られた成果の一部について学会発表を行ってきており、今後は
学術論文としての公表に努める。また協会けんぽが実施する保健事業の改善に資す
るようフィードバックも進める。

研究課題名
第3期 ②

『就労女性の性に関連する健康と労働生産性の実証研究』

研究代表者

秋田大学大学院 医学系研究科 衛生学・公衆衛生学講座 教授

成果の概要

①女性特有疾患の受療率・罹患率推定および併存する疾患について

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野村 恭子