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【参考資料2】令和6年度事業報告書(健康保険事業) (266 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63465.html
出典情報 全国健康保険協会業績評価に関する検討会(第45回 9/25)《厚生労働省》
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これまでの財政状況
(1)これまでの財政状況(概要)
協会は2008(平成20)年10月に設立されましたが、その直後に発生したリーマンショックに
よる景気の落込みから2009(平成21)年に入り賃金(標準報酬月額)が下落し、更に同年には
新型インフルエンザの流行により医療費が増大したことで、2009年度は単年度4,893億円の赤
字、累積で3,179億円の赤字となり、赤字解消のため、設立時に8.20%でスタートした平均保険
料率は2010(平成22)年度から3年連続(2010年度9.34%、2011(平成23)年度9.50%、2012(平
成24)年度10.00%)で引き上げざるを得ない状況でした。
この協会の財政問題に対しては、保険料率引上げとともに、給付費への国庫補助率の引上げ
(13%→16.4%)による財政健全化の特例措置が2010年度から2012年度までの間、講じられ、
その後、更に2年間延長されたことで、2013(平成25)年度以降の平均保険料率は10.00%に据
え置くことが可能になりましたが、これらの特例措置は2014(平成26)年度までの暫定的な対
応に過ぎないものでした。
協会では、財政問題に対して暫定措置ではない恒久的な措置、中長期的に安定した財政運営
の実現に向けて関係方面への働きかけ等を引き続き行いました。その結果、2015(平成27)年
5月に成立した医療保険制度改革法(持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険
法等の一部を改正する法律(平成27年法律第31号))において、期限の定めなく16.4%の国庫補
助率が維持されることになり、財政運営における当面の安定化が図られました。これ以降、加
入者や事業主の方々が負担する保険料率は、2012年度に平均保険料率10.00%に到達してから
は、2025(令和7)年度まで据え置いている状況です。
協会としては、2015年度の制度改革については大きな前進であったと考えていますが、協会
財政の赤字構造については現在も解消されていないこと、また、高齢者医療制度の抜本的な見
直しについても実現していないことから、これで十分とは考えていません。医療保険制度を持
続可能なものとするためには制度全体の改革を更に進めていくべきと考えており、現役世代に
過度に依存する高齢者医療の現在の枠組みの見直し等の視点に立って関係方面への働きかけ
を進めています。
(医療費と賃金の動向)
協会の財政は医療費(保険給付費)の伸びが賃金(標準報酬月額)の伸びを上回るという赤
字構造で推移してきました(図表1)。
支出の6割を占める医療費は、2020(令和2)年度こそ新型コロナウイルス感染症の影響によ
る加入者の受診動向等の変化等の影響で一時的に減少しましたが、全体的には増加傾向にあり
ます。
一方で、保険料収入の基礎となる賃金は、リーマンショックによる景気悪化の影響もあって
2009年度から2011年度にかけて下降しました。2012年度以降は緩やかな回復基調をたどり、

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