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【参考資料2】令和6年度事業報告書(健康保険事業) (87 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63465.html
出典情報 全国健康保険協会業績評価に関する検討会(第45回 9/25)《厚生労働省》
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0.777 (0.776,0.778)であった。
【課題2:糖尿病及び高血圧症治療コントロール不良モデル構築】
全国を対象に2015年度までの健診データ及び標準的な質問票データを用いて、
2015年度に標準的な質問票によって糖尿病治療者と高血圧治療者を定義した。この
うち、2016~2020年度の健診データを用いて、それぞれのガイドラインに基づき糖尿
病治療コントロール不良(空腹時血糖値130mg/dL、随時血糖値180mg/dL、HbA1C値7.0%
を上回った場合)、高血圧治療コントロール不良(収縮期血圧値140mmHg、拡張期血圧
値90mmHgを上回った場合)を定義した。説明変数は健診データと標準的質問票データ
とした。
解析手法:CARTモデルを用いて説明変数の重要度を決定し、重要度の高い変数を説
明変数としてロジスティック回帰モデルを作成した。ロジスティック回帰モデル及
び CART モ デ ル に よ っ て 構 築 し た モ デ ル の 感 度 、 特 異 度 、 Area Under Curve
(95%confidence interval)[AUC(95%CI)]を計算した。
結果:糖尿病治療コントロール不良について、CARTモデルによって選択された糖尿
病治療コントロール不良に重要な変数は空腹時血糖、年齢、脂質異常症治療薬の服
用、HDLコレステロール等の順であった。糖尿病治療コントロール不良予測の感度、
特異度、AUC(95%CI)は、ロジスティック回帰モデルではそれぞれ0.798、0.853、0.900
(0.898,0.903)、CARTモデルではそれぞれ 0.846、0.756、0.816 (0.811,0.821)であ
った。また高血圧症治療コントロール不良に重要な変数は収縮期血圧、拡張期血圧、
ヘマトクリット、ヘモグロビン、空腹時血糖等の順であった。高血圧治療コントロー
ル不良モデルの感度、特異度、AUC(95%CI)は、ロジスティック回帰モデルではそれぞ
れ0.723、0.792、0.840 (0.839,0.842)、CARTモデルではそれぞれ0.779、0.713、0.791
(0.789,0.793)であった。
2024年度は、全国のレセプトデータに基づく糖尿病治療者及び高血圧症治療者の
治療中断について、ロジスティック回帰モデル及びCARTモデルを用いて予測モデル
を構築した。また同じく全国の健診データを用いて治療コントロール不良について、
ロジスティック回帰モデル及びCARTモデルを用いて予測モデルを構築した。予測能
は必ずしも高くないが、レセプトデータと健診データを用いることで治療中断及び
治療コントロール不良を一定程度判別できることが示唆された。

研究課題名
第2期 ④

『予防医療が本人と家族に及ぼす効果に関する研究』

研究代表者

東京大学大学院

成果の概要

1)生活習慣病未治療者に対する受診勧奨(重症化予防)の効果の分析

(最終報告)

経済学研究科

教授

飯塚

敏晃

予防医療、特に重症化予防の重要性が叫ばれて久しいが、データ及び分析手法の制
約により、その効果に関する信頼性の高い研究は少ない。本研究では、生活習慣病未
治療者に対する受診勧奨(重症化予防)の効果を、糖尿病の一次勧奨基準値
(FBS=126mg/dl)前後の患者について、Regression Discontinuity Design(RDD,回帰
不連続デザイン)を用いて分析した。分析対象は、生活習慣病予防健診受診者で、健
診時に血圧及び血糖用薬を用いていない者とし、6年間のデータをプールして分析し
た。まず、糖尿病の一次勧奨基準値(FBS=126mg/dl)を若干上回る(高いほうが症状が

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