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【参考資料2】令和6年度事業報告書(健康保険事業) (165 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63465.html
出典情報 全国健康保険協会業績評価に関する検討会(第45回 9/25)《厚生労働省》
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ア)被用者保険の適用拡大及びいわゆる「年収の壁」への対応について
(適用拡大)
‧今回の適用拡大の方向性については、被用者保険者としては、社会環境の変化に対応した
持続可能な社会保障制度維持の観点から必要なものと理解している。一方、今回、見直し
の対象者の多くは協会けんぽに加入することが想定されているが、協会としては、加入者
の健康づくりの推進や医療費の適正化に向けての保険者機能の発揮にあたっては、事業主
との連携が大変重要と考えている。そうした観点からは、「保険者機能」が引き続き確保
されるためには、対象者が「被用者としての実態を備えている」ことが重要な要素である
と考えており、今後の適用拡大に当たっては実態面への配慮をお願いしたい。また、具体
的な制度見直しに当たっては、適用・徴収・給付などの「事務処理負担」、さらには大規
模な人数での制度間の移行実務等についても実現可能な手段・期間等にご配慮いただくと
ともに、各保険者への「財政影響」の試算をできるだけ早くお示しいただくようお願いす
る。
‧雇用の在り方に中立的な制度としていく観点から、企業規模要件の撤廃や5人以上従業員
の個人事業所における非適用業種の解消については、その方向で検討を進めていただきた
い。なお、賃金要件については、全国の最低賃金の引上げの状況なども勘案しながら判断
することが必要である。
‧「複数事業所勤務者の対応」について、医療保険は、保険者が多数存在し、保険者ごとに
保険料率が設定されている。また、協会けんぽも都道府県別に保険料率を設定していると
ころである。今回示された方法は、保険者間調整の新たな事務フローの構築や複雑かつ大
規模なシステム構築が必要となるなど、実務面での大きな課題があると考えており、慎重
な検討をお願いしたい。
‧被用者保険の適用拡大による財政影響の試算において、協会けんぽは、最終的にマイナス
510億円ということで、一定の仮定を置いた試算ではあるものの、今般の適用拡大により
協会けんぽの財政運営に大きな影響が生じ得ることがわかった。被用者保険の適用拡大は、
働き方や勤め先にかかわらずふさわしい保障を得られるようにするとともに、雇用の在り
方に中立的な医療保険制度としていく観点から、進めていくべきものと考えているが、今
後、実際に適用拡大が行われる際には、状況に応じて対応が必要になることも考えられる
ため、協会けんぽへの財政運営への影響についてしっかりと注視し、その影響を踏まえた
上での財政運営に努めていく必要があると考えている。
‧また、最終的に155万人の方が新たに協会けんぽに加入する試算を踏まえると、適用・徴
収・給付などの実務上の課題が発生する。加えて、健診や特定保健指導といった保険者機
能を発揮するための体制確保についても準備が必要となる。そうした点を考慮して、段階
的な施行とするなどの配慮をお願いしたい。
(年収の壁)
‧「年収の壁」への対応について、保険料負担割合の変更については、特に中小企業の事業
主の保険料負担や手続の事務負担が大きく増えることに留意する必要がある。また、協会

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