【参考資料2】令和6年度事業報告書(健康保険事業) (86 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63465.html |
出典情報 | 全国健康保険協会業績評価に関する検討会(第45回 9/25)《厚生労働省》 |
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成し、結果として在宅医療の推進が進むことで入院の診療単価も上昇することが期
待される。最終的には病床ダウンサイジングによるKPI-1の改善につながる。KPI-1
~3は相互に連動しており、それぞれの改善が最終的に各地域の保険料率の均てん化
につながる。医療資源の最適配置や在宅医療の充実、入院単価の適正化を通じて、持
続可能な医療制度の構築が可能となるだろう。ただしKPI-1については各支部が直接
的な努力によって改善することが難しい側面がある。しかし一人当たりの医療費と
強く相関しており、この値が低い支部については特に注意が必要である。厚生労働
省が進める病床最適化の方針に対する理解を深めるため、支部ごとに適切な支援を
提供することが求められるかもしれない。
■結語:保険料率が高い支部ではKPI-1の値が低い傾向が見られる。またKPI-2の値
が高い場合でも、それが単に医療の利用数が多いことを示しているに過ぎず、必ず
しも入院医療の補完的な役割を果たしているとは限らない可能性がある。さらに
KPI-3が低い場合は特に注意が必要である。保険料率が低い支部ではKPI-1の値が良
いが、KPI-3が必ずしも良好とは限らず、さらなる改善の余地があると考えられる。
研究課題名
第2期 ③
『機械学習を用いた生活習慣病の治療行動予測モデルの構築』
研究代表者
岩手医科大学
医学部
衛生学公衆衛生学講座
教授
丹野
高三
成果の概要
本研究の目的は、機械学習の手法を用いて、糖尿病及び高血圧治療中断者の予測モ
(最終報告)
デル(課題1)及び治療コントロール不良者の予測モデル(課題2)を構築することであ
る。以下に2024年度の実施状況について報告する。
【課題1:糖尿病及び高血圧症治療中断モデル構築】
全国を対象に2015年度のレセプトデータの処方及び傷病名から糖尿病治療者及び
高血圧治療者を定義した。このうち、2015年度に4回以上の外来受診した者を定期受
診者とした。定期受診者のうち、2016~2020年度のレセプトデータから受診間隔が3
か月以上であった者をそれぞれ糖尿病治療中断者及び高血圧治療中断者と定義し
た。説明変数はレセプトデータから、治療薬の処方の有無、処方量/年度、薬処方種
類数等とした。
解析手法: Classification And Regression Treesモデル(CARTモデル)を用いて説
明変数の重要度を決定し、重要度の高い変数を説明変数としてロジスティック回帰
モデルを作成した。ロジスティック回帰モデル及びCARTモデルによって構築したモ
デルの感度、特異度、Area Under Curve(95%confidence interval) [AUC(95%CI)]を
計算した。
結果:糖尿病治療中断予測について、CARTモデルによって選択された糖尿病治療中
断に重要な変数は、 HbA1c検査回数、DPP-4阻害薬処方量及びその処方回数、SU剤処
方量及 びそ の処 方回数 等 の順で あっ た。 糖尿病 治 療中断 予測 の感 度、特 異 度、
AUC(95%CI) は 、 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 モ デ ル で は そ れ ぞ れ 0.683 、 0.683 、 0.739
(0.737,0.741)、CARTモデルではそれぞれ0.636、0.723、0.725 (0.723,0.727)であっ
た。また高血圧治療中断に重要な変数は降圧薬配合剤処方量及びその処方回数、Ca拮
抗薬処方量及びその処方回数、ARB処方量及びその処方回数等の順であった。高血圧
治療中断予測の感度、特異度、AUC(95%CI)は、ロジスティック回帰モデルではそれぞ
れ 0.709、0.713、0.767 (0.766,0.768)、CARTモデルではそれぞれ0.699、0.733、
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