【参考資料2】令和6年度事業報告書(健康保険事業) (84 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63465.html |
出典情報 | 全国健康保険協会業績評価に関する検討会(第45回 9/25)《厚生労働省》 |
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が可能となる。また、治療と仕事の両立支援の環境整備の推進を促すことが可能
となる。産業医等の専門家が不在の企業においては、従業員が疾病に罹患した場
合に、事例に対応することが容易となる。
イ)2021~2023 年度採択案件
2021年度に採択した5件については2025(令和7)年3月に研究期間が満了となり、同年5月に
開催した調査研究フォーラムにおいて、当該研究の最終報告を行うとともに、協会事業への活
用方法について議論しました。
2022年度に採択した4件及び2023年度に採択した3件については、随時、研究者とのミーティ
ング等で研究状況の報告を受け、進捗確認を行っています。2025年3月末の中間報告に基づき、
研究継続の審査を行い、2025年度は第4期の1件を除く6件の研究を継続することとしました。ま
た、当該6件については2025年5月の調査研究フォーラムにおいて、中間報告の発表を行いまし
た。
[
(図表4-40)外部有識者を活用した調査研究 第2期 採択案件①~⑤の最終報告]
研究課題名
第2期 ①
『生活習慣病の疾病別医療費の地域差に関する研究』
研究代表者
摂南大学
農学部
食品栄養学科
教授
小川
俊夫
成果の概要
本研究は、協会けんぽ加入者におけるがんや糖尿病、循環器系疾患など生活習慣
(最終報告)
病患者を、レセプトを用いて精緻に推定し、生活習慣病の疾病別医療費の地域差に
ついて解析することを目的として実施する。また、生活習慣病に影響を与える各種
要因を地域別に分析することで、地域ごとの生活習慣病の予防、治療、予後などの包
括的な実態と疾病別医療費の特徴を明らかにすることも目的である。
(1)研究班の組織:本研究の最終年度である本年度は、昨年度に引き続き研究班を組
織し、本研究に参加する研究者間で研究の進捗や方法などを共有した。
(2)レセプトを用いた疾病別患者抽出手法の確立:本年度は、分析対象疾患を肺がん、
大腸がんと糖尿病とし、それぞれの疾病に罹患した患者を、レセプトを用いて精緻
に推定する方法を確立した。
(3)疾病別医療費の推計と疾病別医療費に影響を与える要因分析:
1.レセプトを用いた糖尿病の抽出手法を確立し、受診者に占める糖尿病薬処方者
や、糖尿病薬処方の内容が医療機関単位・個人単位で精緻に可視化できるようにな
った。糖尿病の1人当たり入院外医療費は受診者に占める糖尿病薬処方者の割合や糖
尿病薬処方者に占めるGLP1受容体のみ処方者の割合と有意な関連は見られなかっ
た。糖尿病の1人当たり入院外医療費は、糖尿病薬処方者に占めるSGLT2阻害薬のみ
処方者の割合と弱い負の相関があり、糖尿病薬処方者の中でSGLT2阻害薬のみを処方
している患者が多い医療機関が数多くある支部では、弱い相関ではあるが、糖尿病
の1人当たり入院外医療費が安い傾向があり、糖尿病薬の処方内容が医療費に影響を
及ぼす可能性が示唆された。
2.協会けんぽ全加入者における2020年度から2022年度の肺がん及び大腸がん患者
を推定し、支部別のがん医療費を推計した。また、がん検診とがんによる資格喪失の
がん医療費に与える影響について分析を実施した。肺がん及び大腸がんの新規患者
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