【資料1-3】令和8年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(一次)(案) (318 ページ)
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| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67012.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第146回 12/11)《厚生労働省》 |
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化学物質リスク研究事業
研究事業の概要
(1)背景
わが国において日常生活で使用される化学物質の種類は年々増加し、数万種に及ぶとされて
いる。その用途も多様であり、様々な場面で国民生活に貢献している反面、化学物質のヒトへ
の暴露形態も多様化している。化学物質によるヒトへの健康影響は未然に防がなければならな
い一方で、どんな化学物質にいつ、どのように、どの程度暴露しているかといった情報をすべ
て把握することは不可能である。しかしながら、そのような状況でも可能な限り情報を収集し
て化学物質のリスク評価、リスク管理を行うことは重要である。
また、国際的にはアニマルウェルフェアの観点から代替試験法の開発が進められているほ
か、2023 年には国連環境プログラムが事務局となる「化学物質に関するグローバル枠組み(GFC
:Global Framework on Chemicals)」が採択され、引き続き化学物質が健康や環境に及ぼす影
響等のデータの収集・公開等により適正に管理していくことの必要性が再確認されている。今
後、GFC に関する国内での取り組みを進めるべく、環境省を中心に国内実施計画の策定が進んで
いる。さらに、国連の持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)における
ターゲットにおいても、化学物質対策に関連するものが掲げられており、SDGs アクションプラ
ン 2023(令和5年3月 SDGs 推進本部決定)において、国際的な化学物質管理規制の協調等が
掲げられている。これらの国際的な動向に対応し、さらにリードしていくには、科学的な裏付
けが重要となっている。
化学物質のリスク評価については、令和6年度より、「化学物質の審査及び製造等の規制に
関する法律」(化審法)の制度見直しの検討が行われ、令和7年7月に報告書がとりまとめら
れ、今後の検討課題が整理されている。特に代替試験法の観点では、 in vitro 、 in silico など
の技術、複数の利用可能なデータや情報を組み合わせて総合的に評価する手法である Weight
of Evidence(WoE)の考え方の活用など、評価の方法論の開発が進展している中で、動物実験の
利用を回避するための、化学物質の有害性及びリスク評価に関する情報を入手できるあらゆる
技術、方法論、アプローチ、又はその組み合わせである New Approach Methodologies(NAMs)
の利用方法によっては、化学物質のリスク評価に資する場合があり、NAMs の研究開発を促進す
るとともに、国際的な取組にも積極的に貢献することが重要とされている。
(2)事業目標
化学物質を利用する上でのヒトへの健康影響を最小限に抑え、また国際的な動向に対応する
こと等を目的として、化審法、「毒物及び劇物取締法」(毒劇法)、「有害物質を含有する家
庭用品の規制に関する法律」(家庭用品規制法)の科学的な基盤を確立する。
(3)研究のスコープ
〇化審法、毒劇法及び家庭用品規制法に基づく施策実施に係る科学的基盤の確立に関する研究
〇化学物質の有害性評価の迅速化、高度化(NAMs の開発・利用を含む)、標準化に関する研究
〇シックハウス(室内空気汚染)対策に関する研究
〇家庭用品に含まれる化学物質の健康リスク評価に関する研究
〇内分泌かく乱物質の影響評価に関する研究
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