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令和4年版厚生労働白書 (479 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第2部



現下の政策課題への対応

10 章 国際社会への貢献

第1節

国際社会における課題設定及び合意形成への積極的参加・協力

近年、厚生労働行政の多くの分野で、国際社会での動きと国内政策が連動するように
なってきている。例えば、新型コロナウイルス感染症の世界的流行のように、感染症は国
境を越えて世界の社会経済に大きな影響を与えるほか、高齢化の進行や生活習慣病の増加
は、世界保健機関(World Health Organization:WHO)の総会や G7、G20 サミッ
ト等でも取り上げられる大きな課題となっている。また、世界的なサプライチェーンの拡
大が進み、加えて新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの国で失業者の増加や賃
金の減少などの雇用不安が急速に高まっている中で、労働者の権利の保護や雇用の安定に
どう取り組んでいくかは、各国共通の課題となっている。日本国民の健康と生活の安定を
守 る た め、 厚 生 労 働 省 は、WHO や 国 際 労 働 機 関(International Labour
Organization:ILO)を始めとする国際機関の活動等へ積極的に参画し、国際社会にお
ける課題設定や合意形成に努めている。

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保健医療分野

(1)世界保健機関(WHO)

WHO は、全ての人々が可能な最高の健康水準に到達することを目的とし、感染症対

策、医薬品・食品安全対策、健康増進対策等を行う国際機関である。日本は、総会や執行
理事会における審議や決定等に積極的に関与している。
今般の新型コロナウイルス感染症の世界的な流行にともない、WHO のもつ健康危機
えて安定した資金調達方法が、様々な場において議論されている。2021(令和 3)年 5
月に開催された第 74 回 WHO 総会では、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを含
む健康危機対応やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage:
UHC)達成に向けたプライマリ・ヘルス・ケア(PHC)、持続可能な財政等について議
対応に関する国際文書を作成する利点について議論された。

10


WHO は、スイス・ジュネーブ本部のみならず、地域事務局でも積極的に活動してい



論された。同年 11 月に開催された第 2 回 WHO 特別総会では、パンデミックへの備えと

国際社会への貢献

対応能力に対して注目が集まるとともに、WHO の組織統治の検証・改革の必要性に加

る。日本は、WHO 西太平洋地域に属しており、2021 年 10 月には第 72 回 WHO 西太平
洋地域委員会を姫路市で開催し、プライマリ・ヘルス・ケア(PHC)、学校保健、伝統・
代替医療、結核等の議題が扱われた。
今後注目される WHO における取組みには、①世界のパンデミックへの備えと対応を
強化するための条約等の国際文書の策定、②国際交通に与える影響を最小限に抑えつつ、
国境を越えた疾病の伝播を最大限防止する目的で制定された WHO 憲章第 21 条に基づく
既存の法的枠組である、国際保健規則(International Health Regulations:IHR)の
部分改正等を通じた IHR の強化、が挙げられる。第 2 回 WHO 特別総会で、2022(令和
4)年 3 月 1 日までにパンデミックに関する国際文書を議論する政府間交渉会議を設立す

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