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令和4年版厚生労働白書 (122 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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コラム

薬剤師と多くの職種が連携した在宅療養患者の薬剤管理の取組み
(ファーマシィ薬局引野)

高齢化の進行や、外来で治療を受けるがん

2

強化が求められている。そこで、地域の病院





患者の増加などに伴い、在宅を含めた薬物療
法が重要となっており、薬剤師・薬局の機能
や多職種と連携しながら在宅業務を積極的に

担い手不足の克服に向けて

行っている薬局の一例として、
「ファーマ
シィ薬局引野」(広島県福山市)の取組みを
紹介する。

在宅業務に取り組むきっかけ

扱いが難しい医療用麻薬の管理・調製等を
行っている。
さらに、無菌調剤室を整備するなど、在宅
業務に必要な設備整備も行っている。

薬薬連携や多職種連携

薬薬連携(薬局薬剤師と病院薬剤師の連

携)や多職種連携にも積極的に取り組むこと
により、より充実した在宅業務を実現してい
る。例えば、在宅療養している患者が入院す

重度な要介護状態になっても患者が住み慣

る際には、病院がスムーズに患者の薬を把握

れた自宅で最期まで過ごせるためには、24

できるよう、統一した書式※ 1 により所持薬

時間 365 日の支援体制など地域の医療チー

の情報を整理したうえで、病院薬剤師に伝達

ムによる連携が必要不可欠である。そこで

している。

ファーマシィ薬局引野も医薬品の供給を担う
医療チームの一員として、有志の医師や医療
専門職等の仲間集めから着手し、勉強会の開
催や、後方支援病床の確保等の在宅医療に必
要となる仕組み作りを進めた。ただ、賛同す
る専門職を増やさなければ、取組が地域に定
着しない可能性を感じ、医師会や病院を巻き
込んで取組みを進め、現在では、連携する職
種も増えた環境で薬局として在宅業務を実施
している。

在宅業務の実施内容

薬局薬剤師の在宅業務は、患者の自宅を訪

問し、服用薬や残薬(飲み残しの薬)の状況
だけでなく、生活状況も含めて把握すること
から始まる。これにより、残薬解消に向けた
対応等に加え、各患者に応じた服薬支援(例
えば、飲み込む力が弱っている患者に飲みや
すい剤型への変更を検討する、家族の在宅時
間や他職種の訪問時間等に服用できるように

※1

病院に所持薬の情報を伝達するための書式(例)

服薬タイミングや回数を検討するなど)を行

108

うことが出来る。また、患者の状態を踏まえ

また、入院患者が退院して在宅療養に移行

た医師への処方提案など、在宅業務で薬剤師

する際には、薬局薬剤師が病院薬剤師や多職

に出来ることは多々あり、1 件当たりの在宅

種が集う退院時カンファレンスに参加し、患

業務に要する時間は、ケースバイケースでは

者の入院状況や処方歴等の様々な情報を得る

あるものの、長ければ 2 時間程度かかること

とともに、これらの情報を踏まえ、個々の患

もある。

者に応じた処方提案などを行っている。

また、自宅での看取りも支援しており、

在宅業務の実施に当たっては、多職種間で

24 時間体制での医薬品提供体制の構築、取

の情報共有に努めるとともに、多職種間のス

令和 4 年版

厚生労働白書