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令和4年版厚生労働白書 (171 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第1部

社会保障を支える人材の確保

業の担い手不足等への対応として行われる農業と福祉の連携(農福連携)については、内
閣官房農福連携等推進会議「農福連携等推進ビジョン」(2019(令和元)年 6 月 4 日)に
基づき、
「知られていない」、
「踏み出しにくい」

「広がっていかない」といった課題に対
門家の派遣や農福連携マルシェの開催等を支援するとともに、過疎地域における取組みを

訓練に広がりを見せるなど取組内容が多彩になってきており、引き続き推進していく。
ここで、障害者が地域を支え、また地域の力によって障害者を支えている事例を紹介す
る。

障害者の就労支援における農福連携

障害者就労施設では、稲作や野菜、果樹、

さらに、農福連携における「農」と「福」

花き、畜産、農産加工や販売といった幅広い

のそれぞれの広がりを進めることにより、農

分野で農業活動などに取り組んでおり、その

福連携を地域づくりのキーワードに据え、地

中には、農業を通じて高い賃金・工賃を実現

域共生社会の実現を目指すこととしている。

している事業所もある。こうした取組みは、

「農」の広がりへの支援として、林業及び水

障害のある方の就労機会の確保や賃金・工賃

産業において、特殊な環境での作業もあるこ

の向上といった面のみならず、労働力不足や

とにも留意しつつ、障害特性などに応じた、

過疎化といった問題を抱える農業・農村に

マッチング、研修の促進、経営発展を目指す

とっても、働き手の確保や地域農業の維持、

取組みなどの推進、「福」の広がりへの支援

さらには地域活性化にもつながることから、

として、高齢者、生活困窮者、ひきこもりの

農業と福祉の連携(農福連携)の一層の推進

状態にある者などの働きづらさや生きづらさ

が求められている。

を感じている者の就労・社会参画の機会の確

農福連携等推進ビジョン

このため、2019(令和元)年 4 月に設置

された省庁横断の会議体である「農福連携等
推進会議」は、同年 6 月に「農福連携等推進
ビジョン」を取りまとめた。

担い手不足の克服に向けて

農福連携は障害者のみならず、認知症のある高齢者への支援や生活困窮者などへの就労

コラム

2



後押しすることとしている。



応し、農福連携のメリットの発信等のほか、障害者就労支援事業所への農業等に関する専

保や、犯罪や非行をした者の立ち直りに向け
た取組みを推進することとしている。

農福連携を通じた精神障害者への支援

農福連携に取り組む社会福祉法人こころん

(福島県)では、精神障害のある約 30 人の

本ビジョンは、農福連携の裾野を広げてい

利 用 者 が、

くに当たって、「知られていない」

「踏み出

それぞれの

しにくい」、「広がっていかない」という課題

適性と体調

に対応するものだ。農福連携のメリットの発

を判断しつ

信や戦略的プロモーションの展開を通じた

つ、 就 労 に

「認知度の向上」、ニーズをつなぐマッチング

必要な体力、

の仕組みの構築や障害者が働きやすい環境の

忍 耐 力、

整備と専門人材の育成などを通じた「取組み

チームワー

の促進」、国民的運動を展開するための基盤

クを養いな

の形成や関係団体での横展開などの推進を通

が ら、約 30

じた「取組みの輪の拡大」の 3 つのアクショ

品目の野菜

ンに取り組むこととしている。

を生産して

令和 4 年版

厚生労働白書

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