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令和4年版厚生労働白書 (169 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第1部

社会保障を支える人材の確保

地域のボランティアによる活動をきっかけとして、複数分野の包括的な支援に取り組も
うとする例もある。全国に広がっている子ども食堂*57 では、子どもの食育や居場所づく
りにとどまらず、貧困等の困難を抱える子どもへの生活面・学習面での支援につながるこ
ども食堂において、ひとり親家庭や生活困窮世帯の子どもを対象とした生活面・学習面で
が利用でき

ること等を周知している。また、支援が必要な家庭や子どもを把握した場合には、市区町
村等の相談窓口と子ども食堂の運営者が情報共有等を行うことを市区町村等に要請してい
る。2022(令和 4)年度は新たに、市区町村等が子ども食堂や子どもへの宅食等を行う
民間団体と連携して食事の提供や学習支援等を通じた子どもの状況把握を行うことによ
り、市区町村等が行う地域における子どもの見守り体制の強化を支援している。
地域の実情に応じ、高齢者、障害者、子どもなどの複数分野にまたがる支援を総合的に

2

担い手不足の克服に向けて

の提供等を行う場合には、こうした取組みに係る費用を補助する公的制度

*58



の支援を行う場合や、高齢者を対象とした介護予防の取組み、障害者等に生産活動の機会



とや、高齢者や障害者を含む地域住民の交流拠点に発展する可能性がある。そのため、子

提供する取組みとして、高齢者向け住宅、介護施設、飲食店、保育園、障害者就労支援事
業所など多様な施設を一体的に運営し、相互に補完しあっている例を紹介する。

コラム

医食住が強固につながった多世代交流型複合施設
「アンダンチ」
(株式会社未来企画)

2018(平成 30)年 7 月、宮城県仙台市に

店番に立つこともある。内装は無垢の木をふ

株式会社未来企画が運営する多世代交流型複

んだんに使った温かみのある空間になってい

合施設「アンダンチ」がオープンした。周囲

る。1 階のリビング兼食堂では敷地内の利用

との垣根がない約 1,000 坪の敷地は開放的

者同士のイベントが行われるほか、地域住民

で、高齢者向け住宅、介護施設、飲食店、保

に無料で開放しており、子ども英会話やヨガ

育園、障害者就労支援施設など多様な施設が

教室などが開催され、ここに入居者が加わり

集まる。

交流が生まれる。レジデンスには介護職員が
24 時間 365 日常駐し、隣接する看護小規模

多角経営が生み出すサービス利用者と提
供者の補完関係

密に連携しているため、介護度が高い方も受

るサービス付き高齢者向け住宅「アンダンチ

HOC カンタキの隣の建物の 1 階で経営す

レジデンス」である。入口横には駄菓子屋

る飲食店「あんだんち食堂」は、地産地消に

「福のや」があり、地域の子どもたちが出入

取り組んでおり、健康に配慮したメニューは

りし、軒下は子どもたちで賑わう。入居者が

地域住民の好評を得ている。また、敷地内の

アンダンチの核となるのは、50 室からな

*1
*2

*2
多機能型居宅介護*1「HOC カンタキ」
と緊

け入れ、看取りも行っている。

小規模多機能型居宅介護(事業所への通い、短期間の泊まり、利用者の自宅への訪問を一体的に提供し、日常生活での支援
や機能訓練を行う。
)に訪問看護を加えた地域密着型介護サービス。通いや泊まりの時間帯を通じて、医療機器を使用してい
る方、終末期の方など、より医療依存度の高い方も利用可能。
未来企画と提携している医療法人モクシン 堀田修クリニックが運営しており、「第 2 の我が家」をコンセプトに、住み慣れた
自宅で療養生活が送れるよう医師や他の医療専門職、ケアマネージャーと連携し、柔軟な介護サービスを提供している。

* 57 子どもたちに対し、無料又は安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する取組みを行うものをいう。
* 58 母子家庭等対策総合支援事業における子どもの生活・学習支援事業、生活困窮者自立支援制度における子どもの学習支援事業、介
護保険法に基づく介護予防・日常生活支援総合事業、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく地域活動支
援センター事業

令和 4 年版

厚生労働白書

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