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令和4年版厚生労働白書 (364 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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保険者等の期待の声も大きく、また、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の動向
も踏まえ、更なる推進が期待される。
このような状況を踏まえ、厚生労働省では、2019 年 5 月から「一般介護予防事業等の
推進方策に関する検討会」を開催し、一般介護予防事業等に今後求められる機能や
PDCA サイクルに沿った更なる推進方策等の検討を集中的に実施し、同年 12 月に取りま
とめを公表した。
本取りまとめを踏まえ、多様な通いの場の展開を図るため、2021(令和 3)年 8 月に
「通いの場の類型化について(ver.1.0)」を公表し、先進的な事例等を紹介するなど、第
8 期介護保険事業(支援)計画の実施において、引き続き市町村における地域の実情に応
じた効果的・効率的な介護予防の取組みを推進している。
また、高齢者については、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う、外出自粛による閉
じこもりや健康への影響が特に懸念されることから、自治体に対し感染拡大防止に配慮し
た介護予防・見守り等の取組事例の周知を行うとともに、高齢者の健康維持に参考となる
情報や好事例等を掲載する特設 Web サイトの活用など広報の充実等を行ってきた。
2021 年 12 月には、新型コロナウイルス感染症の感染防止に配慮して通いの場や認知症
カフェ等の取組みを実施するための留意事項を一部見直して提示し、外出自粛による心身
機能の低下や地域のつながりの希薄化からの回復に向けて、地域の実情を踏まえた介護予
防・見守り等の取組みを推進している。



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(2)自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組みの推進

高齢化が進行する中で、地域包括ケアシステムを推進するとともに、制度の持続可能性

を維持するためには、保険者である市町村の保険者機能を強化し、高齢者の自立支援・重

国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

度化防止に向けた取組みを推進することが重要である。
このため、全市町村が保険者機能を発揮し、自立支援・重度化防止に取り組むよう、
①データに基づく課題分析と対応
②適切な指標による実績評価
③取組み実績に応じた市町村・都道府県に対する財政的インセンティブの付与
という仕組みを「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法
律」(平成 29 年法律第 52 号。以下「地域包括ケア強化法」という。)により制度化するこ
ととした。
また、市町村の人員体制やノウハウの蓄積等の状況は地域によって様々であるため、厚
生労働省や都道府県が積極的かつ丁寧に支援していくことが必要である。具体的には、都
道府県が市町村を支援することを法律上に明記し、都道府県による市町村職員に対する研
修の実施、医療職等の派遣に関する関係団体との調整等を行うこととした。また厚生労働
省は、市町村が多角的に地域課題を分析することを支援するとともに、都道府県職員に対
して研修等を行い、市町村の取組みを支援していくこととした。
さらに、財政的インセンティブの付与については、2018(平成 30)年度より保険者機
能強化推進交付金を創設するとともに、公的介護保険制度における介護予防の位置づけを
高めるため、2020(令和 2)年度には新たに介護保険保険者努力支援交付金を創設した。
これらの交付金は、保険者等の様々な取組みを評価できるよう、客観的な指標を設定した

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令和 4 年版

厚生労働白書