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令和4年版厚生労働白書 (423 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

(Human Leukocyte Antigen:HLA)
(白血球の型)が適合する必要があり、HLA は、
きょうだい間では 4 分の 1 の確率で一致するものの、きょうだいがいても HLA が一致し
ない場合やきょうだいがいない場合等には、非血縁者間での移植が必要になる。非血縁者
間で HLA が一致する確率は数百分の 1 から数万分の 1 といわれており、造血幹細胞移植
を必要とする全ての患者に移植の機会を提供するためには、多くのドナーや臍帯血の確保
が重要となる。
厚生労働省では、2014(平成 26)年 1 月に全面施行された「移植に用いる造血幹細胞
の適切な提供の推進に関する法律」に掲げる基本理念や「移植に用いる造血幹細胞の適切
な提供の推進を図るための基本的な方針」にのっとり、移植を希望する患者にとって病気
の種類や病状に合った最適な移植が行われるとともに、患者の生活の質の改善が図られる
よう、骨髄等のドナー登録の推進や質の高い臍帯血の採取・保存の推進等に取り組んでい
る。
こうした取組みのもとで、骨髄バンクのドナー登録者数は年々増加傾向にあり、2022
(令和 4)年 3 月末現在 537,820 人となり、また、臍帯血保存公開数は 9,617 本となる等、
造血幹細胞移植に関する協力の輪は着実に広がっている。
移植を希望する患者数は 2022 年 3 月末で 1,732 名となっており、治療成績の向上と相
まって、2021 年度における非血縁者間の造血幹細胞移植の実施件数は、2,489 件(骨髄
移植 869 件、末梢血幹細胞移植*12304 件、臍帯血移植 1,316 件)となった。

(4)臍帯血を利用した医療の適切な提供について

2017(平成 29)年に厚生労働省において、臍帯血プライベートバンク*13 の業務実態

づかない臍帯血の提供の可能性等の課題が明らかになった。本調査を踏まえ、契約者の意

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に沿わない臍帯血の提供を防ぐとともに、臍帯血を利用した医療が適切に行われるよう、



等に関する調査を実施したところ、品質や安全性に関する情報の管理、契約者の意思に基

健康で安全な生活の確保

一方、高齢化の進行に伴い血液疾患を有する患者が増加し、非血縁者間での造血幹細胞

新たに、臍帯血プライベートバンクに対し、業務内容等の国への届出を求める措置を講じ
るとともに、これらの措置の実効性が担保されているかについて、継続的な検証・検討を
行っている。
また、各臍帯血プライベートバンクの届出状況等を厚生労働省ホームページにおいて公
表する等、正確でわかりやすい情報をお母さん方に提供することにより、民民の契約を前
提としたプライベートバンクにおいても、適切な契約が行われるようにするための取組み
を行っているところである。
さらに、2019(平成 31)年 3 月には、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進
に関する法律の一部を改正する法律」が施行され、公的臍帯血バンク(臍帯血供給事業
者)以外の事業者による第三者間の造血幹細胞移植に用いる臍帯血の提供等は原則禁止さ
れた。
* 12 末梢血幹細胞移植:骨髄や臍帯血を用いた造血幹細胞移植と同様、白血病等に有効な治療法の一つ。造血幹細胞は、通常でも血液
の中に存在するが、極めて少ない。そのため、
「顆粒球コロニー刺激因子(G - CSF)」と呼ばれる造血幹細胞を増やす作用のある薬剤を
4~6 日間連続して皮下注射することにより、血液中の造血幹細胞を増やし、成分献血と同様の手法によって移植に必要な造血幹細胞を
採取する。骨髄採取と異なり、全身麻酔による手術や自己血採血が不要である。
* 13 臍帯血プライベートバンク(民間臍帯血バンク)
:臍帯血を採取された母親本人やその家族が造血幹細胞移植、及び現在はまだ医療
技術としては確立されていない再生医療に将来利用することができるよう、母親との間で委託契約を結び、費用の支払いを受けて、業と
して臍帯血を保管する者。

令和 4 年版

厚生労働白書

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