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令和4年版厚生労働白書 (303 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

2 2022 年度の年金額改定
年金額の改定は、賃金変動率*4 がマイナスで、賃金変動率が物価変動率*5 を下回る場合
においては、賃金変動率を用いることとされている。2022 年度の年金額改定は、賃金変
動率(▲ 0.4%)が物価変動率(▲ 0.2%)を下回ったことから、このルールに基づいて、
賃金変動率(▲ 0.4%)を用いて 0.4%のマイナス改定となった。
また、賃金や物価による改定率がマイナスの場合には、マクロ経済スライドによる調整
は行わないこととされているため、マクロ経済スライドによる調整(令和 4 年度分の▲
0.2%)は行われず、昨年度分(▲ 0.1%)とあわせた未調整分(▲ 0.3%)が翌年度以降
に繰り越された。
マクロ経済スライドは、少子高齢化が進む中で、現役世代の負担が過重なものとならな
いように、保険料の上限を固定し、その限られた財源の範囲内で年金の給付水準を徐々に
調整する仕組みとして導入されたものであり、賃金・物価がプラスの場合に限り、その伸
びを抑制する形で年金額に反映させるものである。このマクロ経済スライドによる調整を

整する仕組み(キャリーオーバー制度)が導入されている。

年金を受給しながら生活をしている高齢者や障害者などの中で、年金を含めても所得が

低い方々を支援するため、月額 5 千円を基準とし、年金に上乗せして支給する「年金生活
者支援給付金制度」が、2019(令和元)年 10 月より施行された。年金生活者支援給付金
は、消費税率を 10%に引き上げた財源を基に支給されている(2022(令和 4)年度の支
給基準額は、月額 5,020 円)
(図表 5-1-7)。
年金生活者支援給付金の支給を受けるには、本人による認定の請求手続が必要である
が、既に年金生活者支援給付金を受給されている方のうち、引き続き支給要件に該当する
方については、改めて手続をすることなく、継続して支給するとともに、2021(令和 3)

若者も高齢者も安心できる年金制度の確立

(3)年金生活者支援給付金について

5



置を維持しつつ、賃金・物価上昇の範囲内で、前年度までの未調整分を含めて年金額を調



できるだけ早期に実施するため、2018 年度より、年金の名目額が前年度を下回らない措

年 8 月末以降、新たに支給対象となる方々には、はがき型の簡易な請求書を送付した。
2022 年度以降も、年金生活者支援給付金の認定を継続して受けた方及び基礎年金の新規
裁定者や所得が減少した方等で新たに認定を受ける方に対して着実に支給する。

*4
*5

2 年度前から 4 年度前までの 3 年度平均の実質賃金変動率に前年の物価変動率と 3 年度前の可処分所得割合変化率を乗じて得た率。
前年の物価変動率。

令和 4 年版

厚生労働白書

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