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令和4年版厚生労働白書 (398 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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日本国内では、2021(令和 3)年 11 月 10 日に家きんで、同年 11 月 11 日に野鳥で高
病原性鳥インフルエンザの感染事例が報告されており、その後も H5N8 亜型及び H5N1
亜型による高病原性鳥インフルエンザの発生が続いている。
厚生労働省では、海外における鳥インフルエンザの発生状況について WHO などから
情報を収集し、適時、ホームページなどで情報を公表するとともに、検疫所のポスターな
どを通じて、渡航者や帰国者に対して注意喚起を行っている。

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動物や蚊、ダニが媒介する感染症対策について

(1)動物由来感染症

動物から人へ感染する動物由来感染症については、野生動物からだけでなく身近なペッ

トからも感染するものや重篤な症状を呈すものもあり、注意が必要である。厚生労働省で
は、人に感染するおそれの高い動物由来感染症を感染症法上の四類感染症に位置づけ、発
生動向を把握するため、獣医師に対し、特定の感染症に感染している動物を診断した場合
に都道府県知事に届出を行うよう義務づけている。また、都道府県知事等が感染症法に基
づく積極的疫学調査や人への感染防止等必要な措置を速やかに実施できるようガイドライ
健康で安全な生活の確保



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ン等を整備し、ポスターやハンドブックなどによる周知啓発、調査研究を推進している。

(2)蚊媒介感染症

ジカウイルス感染症、チクングニア熱、デング熱などの蚊が媒介する感染症(以下「蚊

媒介感染症」という。)については、海外で流行している感染症であるが、日本国内に広
く生息するヒトスジシマカがその病原体を媒介することがあるため、海外で感染した者を
起点として国内で流行する可能性がある。そのため、厚生労働省は、2015(平成 27)年
に「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」
(平成 27 年厚生労働省告示第 260 号。以
下「指針」という。)を策定し、蚊媒介感染症の国内発生の予防とまん延の防止のため、
国、都道府県等、市町村、医療関係者、国民などが連携して取り組むべき施策について基
本的な方向性を示すとともに、ポスターやハンドブックなどによる周知啓発、調査研究を
実施するなど、蚊媒介感染症に関する対策を総合的に推進している。2021(令和 3)年 9
月には蚊媒介感染症の状況の変化を踏まえつつ、指針を改正した。また環境省では、今後
気候変動による気温の上昇等が予測されていることも踏まえ、気温の上昇と感染症の発生
リスクの変化の関係等について科学的知見の集積を行っている。
デング熱については、東南アジアなどの流行地からの帰国者の輸入症例が、毎年報告さ
れている。2014(平成 26)年には、国内でデング熱に感染した事例が約 70 年ぶりに確
認され、東京都内の都市型公園などで感染したと推定される事例が 162 例報告された。
また、2019(令和元)年には国内感染事例が那覇市で 1 例(推定)、東京都で 3 例報告さ
れた。
また、ジカウイルス感染症については、2015 年 5 月以降、中南米を中心に多数の患者
が報告され、ジカウイルス感染とギラン・バレー症候群や胎児の小頭症との関係性が示さ
れた。厚生労働省では、ジカウイルス感染症に関する注意喚起や情報収集を行うととも
に、調査研究を推進している。

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令和 4 年版

厚生労働白書