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令和4年版厚生労働白書 (352 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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医師等支援で中核的な役割を担う拠点医療機関の構築に向けた財政支援を行っており、
2022 年度からは子育て世代の医療職支援の先駆的な取組を行う医療機関に対して財政支
援する事業(子育て世代の医療職支援事業)を実施している。こうした取組みを病院勤務
医等の勤務環境の改善対策と併せて実施することで、女性医師等の方々が安心して就業の
継続や復職ができ、さらに活躍していただくための環境の整備を行うこととしている。

(2)医療を担う人材の質の向上
1 新たな専門医の養成の仕組み

厚生労働省では、医師の質の一層の向上等を目的として、
「専門医の在り方に関する検
討会」を開催し、2013(平成 25)年 4 月に報告書を取りまとめた。報告書では、新たな
専門医の仕組みは、プロフェッショナルオートノミー(専門家による自律性)を基盤とし
て設計されるべきであり、また、医療を受ける患者の視点に立って、医師の地域的偏在の
解消に向けて寄与するなど地域医療に十分配慮すべきであるとされている。
これを受けて、2017(平成 29)年度の養成開始に向け、日本専門医機構及び学会にお
いて準備が進められてきたところであるが、新たな仕組みの導入により、医師及び研修医
の地域偏在が更に拡大するのではないかとの懸念が地域医療関係者から示されたため、養
成開始を 1 年延期し、2018(平成 30)年度から養成が開始されている。
また、厚生労働省においても、2017 年 4 月に「今後の医師養成の在り方と地域医療に
関する検討会」を立ち上げ、地域医療関係者の参画のもと、地域医療に求められる専門医



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制度の在り方について検討を進め、日本専門医機構に対して地域医療への配慮を求めた。
その結果、日本専門医機構においては、地域医療従事者等に配慮したカリキュラム制の導
入や、地域の中核病院等であっても基幹病院となれる基準の設定など専門医制度新整備指

国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

針の見直しが行われた。
新専門医制度開始後も良質な医療を提供する体制に責任を有する国の立場から、医師の
キャリアや地域医療に対する配慮が継続的になされるような、安定した仕組みの構築が求
められたことから、
「医療法及び医師法の一部を改正する法律」(平成 30 年法律第 79 号)
に基づく医師法(昭和 23 年法律第 201 号)の一部改正により、厚生労働大臣が、医師の
研修を行う団体に対し、医療提供体制の確保の観点から意見及び研修機会の確保の観点か
ら意見・要請を行うこととされた。本改正法に基づき、医道審議会医師分科会の下に医師
専門研修部会を設置し、同部会の審議結果を踏まえ、厚生労働大臣から日本専門医機構等
に対し、専攻医の都市への集中抑制や柔軟なカリキュラム制などを内容とする意見・要請
を定期的に通知している。特に、専攻医の採用数の上限設定(シーリング)については、
2020(令和 2)年度の専攻医募集から、より実態に即したシーリングの設定を行うため、
厚生労働省が公表した都道府県別診療科別の必要医師数を基に、日本専門医機構が足下の
医師数が必要医師数を上回る都道府県・診療科に一定のシーリングを設定している。
また、今後、高齢化に伴い、特定の臓器や疾患を超えた多様な問題を抱える患者が増え
ることから、総合的な診療能力を有する医師の専門性を評価し、
「総合診療専門医」とし
て新たに位置付け、他の領域分野とともに 2018 年度から養成が開始されている。

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令和 4 年版

厚生労働白書