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令和4年版厚生労働白書 (170 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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スの質の向上にもつながっている。

一人ひとりがつながる「地域の縁側」を
目指して


アンダンチでは交流を促す仕掛けが随所に

あるため、利用者同士は日常的に自然に触れ

2



合う。それに加え、施設利用者同士のイベン

担い手不足の克服に向けて

トや地域住民とのイベントが定期的に開催さ
アンダンチの全体配置図

れ盛んに交流が行われている。

施設にも給食として配食しており、スタッフ
分も合わせると平日の昼食は 1 日 100 食程
になる。
2 階では定員 19 名の企業主導型「アンダ
ンチ保育園」を運営している。2 階に配置す
ることで、セキュリティ面に配慮している。
敷地内施設のスタッフの子どもが優先して入

レ ジ デ ン ス 入 居 者、HOC
カンタキ利用者、園児がと
もに参加する音楽療法

地域食堂の会

園できるため、安心して働くことができ、仕
事と育児の両立を後押ししている。
地域住民の間で「三角な建物」で知られる
「アスノバ」では、障害者就労支援事業所
(就労継続支援 B 型)を運営している。利用
者のプログラムにはレジデンスの食堂や
HOC カンタキの事務室の掃除なども含まれ、

地域住民も加わった多世代 クリスマスマーケットの風

味噌づくり

レジデンスの入居者やスタッフたちとあいさ

アンダンチではそれぞれの建物の配置や敷

つを交わす。1 階はコミュニティスペースと

地全体の一体感、外観や内装などの景観も大

して、週末は地域住民に貸し出しているほ

切にしている。福祉をデザインすることによ

か、
「暮らしの保健室」を設置し、地域住民

り、福祉とは縁遠い人たちが見えないハード

の暮らしや医療・介護などのよろず相談を

ルを越えて福祉に接する機会を得られるよう

行っており、医療・福祉の専門職や医療機関

にしたいという思いからだ。
「アンダンチと

などへの橋渡しもしている。

いう場をもったことで、地域の人たちの様々

未来企画は、HOC カンタキを運営する医

な声に直接触れることができるようになっ

療法人モクシンと土地賃貸借契約を結び、賃

た。地域の人たちがここで触れ合うことで人

料を得ており、多角経営を行うことで余裕が

間関係が豊かになり、他人事だった介護、子

あるところから足りないところへ、スタッフ

育て、障害を持つ人への支援などを『自分ご

の報酬を確保する面でも補完し合っている。

と』のように考えるきっかけになっている。

また、多様な福祉サービスを集約して運営し

世代がしっかりとつながる場をつくり、多様

ていることで、介護福祉士、看護師、保育

性を認め合い、一人ひとりが心地よいと感じ

士、管理栄養士など有資格者を中心に様々な

る「地域の縁側」になれたら。」福井大輔・

立場のスタッフが集まり、地域の福祉サービ

未来企画代表は語る。

社会・経済活動の基盤でもある地域において福祉と地域産業などが領域を超えてつなが
り、高齢者や障害者などの就労や社会参加の機会が生まれると同時に人々の多様なニーズ
に応えるといった取組みが行われてきている。例えば、障害者への働く機会の提供と、農

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令和 4 年版

厚生労働白書