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令和4年版厚生労働白書 (168 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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2

ズへの対応をスムーズにするために「ソー

るか、近隣の人々の助けを得られるかから始

シャルヴェイクティーム(Sociaal (Wijk)

まり、専門職の援助はどの部分で必要かを

team)
」が 2013 年頃から各市(基礎自治

チェックし、相談者本人と一緒に考えて支援

体)でつくられるようになった。

していくアプローチが採られている。
その上で具体的な支援としては、例えば、

担い手不足の克服に向けて

ソーシャルヴェイクティームとは

近所の人で知っている人はいないか本人に聞

ソーシャルヴェイクティームは、直訳すれ

い た 上 で、 そ の 知 人 に「 料 理 を 週 1、2 回

ば「社会福祉近隣チーム」である(ヴェイク

やってくれませんか」と頼む、ショッピング

は「近隣」の意)。地域住民の様々な生活課

に一緒に行くボランティアサービスをアレン

題を解決するため、2016 年現在で 9 割近い

ジするなど、様々な支援が行われている。

自治体に設置されている。スタッフ構成は、
「第一線ケア提供者」(在宅ケア事業者、ソー
シャルワーカー、地域看護師から集めた職
員)

「第二線組織」(より専門性の高い専門

ソーシャルヴェイクティームが目指すも


オランダの社会問題に関する国立研究機関

職能団体の職員)、「その他の関連組織」
(住

である movisie によると、ソーシャルヴェイ

宅協会、警察を含む。)のほか「ゼロ線支援」

クティームが目指すものは、①普遍的アプ

(地域住民やボランティア)も重要な役割を

ローチ、②学際的アプローチ、③市民に近

担うなど、複層的な構成となっている。これ

く、低い敷居、④予防と早期介入、とよくい

により、高齢者、障害者、子どもなどの属性

われている*2。そこでは、公的な制度を利用

を問わず、様々な相談を 1 か所で受けきるこ

するのは最後の最後という「インフォーマ

とができている。

ル・ファースト」が進められている。
相談のしやすさを重視し、地域の幅広い資

支援のアプローチ

源を有機的に連携させてワンストップで対応

相談は、本人から直接、GP(家庭医)や

するアプローチは、地域共生社会の理念を実

地域看護師経由の依頼など様々であるが、い

現していく上で重要性を増していくと思われ

ずれの場合も、相談者が自分自身で何ができ

る。

オランダ・ライデン市のソーシャルヴァイクチーム(イメージ)
ライデン市役所

・市を4地区に分け、ヴァイクレディシオン(ディストリクト・プロデューサー)を配置
・福祉や介護だけでなく、道路、交通問題、経済問題など全部を所掌
ソーシャルヴァイクチーム
コーディネーター

チームコーチ
市内を8地区に分けて

8チーム設置
(1チーム10名)

チームのメンバー
・第一線ケア提供者
・第二線組織
・その他の関連組織

専門職でありながら、
市民目線で相談者
の困りごとや生活全
体を見る広い視点
を持つ

・ 相談者が自分自身で何ができるか、近隣の人の助
けは得られるか
・ 専門職のヘルプはどの部分で必要か
を本人と一緒に考えて支援していく。
(「どうすれば本人が幸せに生活できるか」の視点から
アセスメント)

・地域のインフォーマル・サービスの紹介・情報提供
・近所に住む方への協力を得るためのコーディネート
・専門職の助けが必要な場合、家庭医や地域看護師に
繋ぐ。

・他に6つの家庭部門、青少年部門のチームも設置されている。
海外調査報告書p.11 図8を基に作成

*2

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令和 4 年版

movisie (2016) Sociale (wijk)team in beeld(https://www.movisie.nl/sites/movisie.nl/files/publicationattachment/Sociale-wijkteams-in-beeld%20%5BMOV-9164168-1.1%5D.pdf)

厚生労働白書