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令和4年版厚生労働白書 (239 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

フルハーネス型の墜落制止用器具と、つり上げ荷重 3t 未満の移動式クレーン等につい
ては、新しい規格へ各機械等の更新を促進するため、2019(令和元)年度から 2021(令
和 3)年度まで、「既存不適合機械等更新支援補助金事業」を展開した。


(5)製造業の労働災害防止対策

類ごとに構造規格や労働災害防止対策ガイドラインを作成するなどの個別対策を行ってい
る。一方で、産業現場では新たな機械設備が導入されていることから、機械一般につい
て、メーカー、ユーザーの両者が製造段階及び使用段階で機械のリスクの低減を図ること
を目的とした「機械の包括的な安全基準に関する指針」の普及・定着を図っている。
特に、電気・電子技術やコンピュータ技術の進歩に伴い、これら技術を活用することに
より、機械、器具その他の設備(以下「機械等」という。
)に対して高度かつ信頼性の高
い制御が可能となってきている。このため、従来の機械式の安全装置等に加え、新たに制
御の機能を付加することによって、機械等の安全を確保する方策(機能安全)の要求事項
を定めた「機能安全による機械等に係る安全確保に関する技術上の指針」の普及・定着を
図っている。
このほか、石油・化学プラント等において、設備の老朽化、ベテラン人材の退職等に伴
う人材不足等が深刻であることを受け、IoT やビッグデータ等の新たな技術等を活用した

働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など

残る重篤な災害も多いため、労働安全衛生規則による規制のほか、危険性の高い機械の種

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機械災害は製造業における労働災害の多くを占めており、また、死亡災害や後遺障害が

保安力の維持・向上のための検討を行っている。
さらに、厚生労働省と経済産業省が連携し、主要な製造業の団体を対象に設置された
「製造業安全対策官民協議会」において実施されたリスクアセスメント等の有効性等に関
する分析結果を活用し、事業者の自主的な改善や新たな取組みを促進している。

(6)林業における労働災害防止対策

林業における労働災害による死亡者数は、チェーンソーによる伐木等作業に関するもの

が約 6 割を占めており、伐木等作業の安全を確保することが急務となっている。このため、
2019(平成 31)年 2 月に伐倒時の立入禁止、下肢の切創を防止する保護衣の着用の義務
化、かかり木処理の禁止事項の設定等の労働安全衛生規則等の改正を行った。また、
2020(令和 2)年 1 月に「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」
を改正し、なお一層の伐木等作業における安全の確保を図っている。

(7)一人親方等の安全衛生対策

2021(令和 3)年 5 月に、建設作業で石綿(アスベスト)にばく露し、肺がん等に罹

患した元労働者や一人親方が、国を相手取り、労働安全衛生法令に基づく規制が十分で
あったかが争われた「建設アスベスト訴訟」の最高裁判決において、粉じんによる健康障
害を防止するために必要な保護措置義務を事業者に課す労働安全衛生法第 22 条は、労働
者だけでなく、同じ場所で働く労働者でない者も保護する趣旨との判断がされた。
これを受け、危険有害な作業を行う事業者に対して、労働者と同じ場所で働く、労働者
以外の者についても必要な保護措置を講ずるよう、石綿障害予防規則、労働安全衛生規

令和 4 年版

厚生労働白書

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