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令和4年版厚生労働白書 (161 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第1部

社会保障を支える人材の確保

(在宅医療・訪問看護に対応できる看護職員を育成するため、地域の人材育成を推進する
看護師を養成するほか、先進的な事例の調査・横展開を実施)
看護職員の確保についてはこれまで主に総数不足への対応策が議論されてきたが、
ステムの構築や地域医療構想による病床の機能分化・連携が推進される中で、特に訪問看

施設とは異なる環境下で、利用者の療養生活を理解し適切なアセスメントや必要なケアを
適時に実践する能力が求められる。そのため、在宅医療・訪問看護に係る専門知識や経験
を豊富に備え、地域の人材育成を推進することができる講師を養成することとしている。
また、訪問看護事業所は小規模の事業所が多く、一事業所だけでは教育研修体制の整備
や、福利厚生面、運用面、暴力・ハラスメント対策等において困難を抱えることが指摘さ
れている。地域の実情に応じて、訪問看護サービスの安定した提供や看護職員の確保、定

担い手不足の克服に向けて

は、医師や同僚看護師などがそばにいてすぐに相談でき、医療機器が整備されている医療

2



護事業所や介護保険サービスでの需要が大きく増加することが見込まれている。訪問看護



2019(令和元)年の看護師需給推計では、2025(令和 7)年に向けて、地域包括ケアシ

着が促進されるよう、地域の拠点となるような大規模事業所や医療機関等との有効な連携
の在り方や各種相談体制の整備、ICT 活用の促進等について検討を進めていくことが重
要である。過疎地域など看護職員確保・定着が困難な地域については、都道府県ナースセ
ンターが軸となり、都道府県や医師会、病院団体等と連携の上で地域の実情に応じて確保
策を計画・展開する「地域に必要な看護職の確保推進事業」を行っている。この事業を広
く展開するため、事業の実施支援、好事例の分析、情報共有の促進等を行っていくことと
している。

コラム

より安心で効率的な訪問看護に向けた取組み
(訪問看護ステーションフレンズ)

「病気または障害があっても、住み慣れた

南地域の利用者に対する訪問看護*1 を実施し

自宅で安心して生活したい」との希望を持っ

ている。フレンズでは、嚥下・排泄及び褥瘡

ている方は多く、地域で暮らしながら必要な

に問題がある状態において、従来のフィジカ

看護を受けられる訪問看護のニーズは大き

ルアセスメント*2 だけでは体内の情報を把握

い。

することは難しく、適切なケアを速やかに行

じょくそう

このため、医師や他職種と密接に連携しな

えないことに訪問看護の限界を感じていた。

がら在宅ケアを担う看護師の存在が、今後ま

加えて、片道 100km 以上の遠隔地も担当す

すます不可欠となる。

る中、利用者を訪問した際に、医師へ相談す

ここでは、株式会社トラントユイット(北

る必要が生じた場合には、利用者の状況を医

海道函館市)が運営する訪問看護ステーショ

師へ報告して指示を仰ぐ必要がある。このた

ンフレンズを紹介する。

め、フィジカルアセスメントから適切なケア

北海道の広大な担当地域で速やかに適切
なケアをするために

に至るまでに多くの時間を割くことから、医
師との連携に課題があった。

訪問看護ステーションフレンズ(以下「フ

レンズ」という。
)は、北海道函館市及び道
*1
*2

観察・療養指導及び医師の指示書に基づくケア等
問診・視診・聴診、触診及び打診

令和 4 年版

厚生労働白書

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