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令和4年版厚生労働白書 (105 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第1部

社会保障を支える人材の確保

としている*11。タスク・シフト/シェアを進めるに当たっては、医療安全の確保及び現行
の資格法における職種ごとの専門性を前提として、個人の能力や取り巻く環境、医師との
信頼関係を踏まえることが重要である。さらに、タスク・シフト/シェアをされる側であ
全体の縮減、現行の担当している職種からその他の職種へのタスク・シフト/シェアの推

制の構築に当たって筋肉内注射等の業務を担う看護師等の確保が課題の一つとなり、実技
研修や被接種者の同意等を条件に特例的に歯科医師による接種が認められた。タスク・シ
フト/シェアの検討を進めていくことは、医療従事者の労働環境の改善の観点のみなら
ず、新興感染症等の発生時など一時的に逼迫することが予想される際の医療提供体制の確
保のためにも必要であろう。
介護事業所における介護職の業務の実施状況をみると、介護に関する資格を有していな

担い手不足の克服に向けて

なお、2021(令和 3)年 4 月には、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種体

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進、一連の業務の効率化と現行の担当職員の見直し等についても不断に行う必要がある。



る看護師や薬剤師等の医療従事者の余力の確保のために、ICT 機器の導入等による業務

い者、介護職員初任者研修修了者、介護福祉士の間で明確に業務分担がなされているよう
な状況は見られず、サービス間や提供するケアの内容で差異はあるものの、それぞれの者
が同様の業務を実施している状況であることが指摘されている*12。介護職員は利用者の身
体に直接触れるケアやコミュニケーション、利用者の体調変化への対応などのほか、介護
記録等の作成・保存等の業務からベッドメイキング、食事の配膳、清掃等の間接的業務や
人材育成まで幅広い業務を担っている*13。介護人材の確保が困難な状況の中においても、
介護の質を確保し、向上させていくためには、施設・事業所ごとに介護職員が担っている
業務について、介護職員が担うべき「直接的なケア」とそれ以外の「間接的業務」に分
け、施設・事業所の課題に応じて、これらの業務についてロボット・センサー・ICT を
活用することにより業務の効率化や安全性の向上を図っていくことや、介護職員以外の例
えば地域の元気な高齢者(アクティブシニア)などの多様な人材が担うことにより介護職
員が担うべき「直接的ケア」の時間を増やしていくことが重要である。ロボット・セン
サー・ICT の活用や多様な人材の参入によって生み出した時間で介護職員の研修や OJT
を実施したり、利用者の直接的なケアに重点的に取り組んだりすることが可能となり、介
護の質の向上に加え、意欲・能力に応じてキャリアアップを図っていける仕組みとなるこ
とで、やりがいの向上、人材の定着・促進が期待できる。

* 11 厚生労働省医政局 医師の働き方改革に関する検討会「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」(2018(平成 30)年 2 月 27
日)
* 12 社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」(2017(平
成 29)年 10 月 4 日)
* 13 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所「介護職の機能分化の推進に関する調査研究事業報告書」(2020(令和 2)年 3 月、
令和元年度老人保健事業推進費等補助金老人保健健康増進等事業)

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