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令和4年版厚生労働白書 (388 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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年 10 月 31 日時点で、2,578 人の患者(うち、少なくとも 888 人が死亡)が確認されてい
る。また、世界各国においても輸入症例が報告されている。
ヒトコブラクダが感染源の動物であるといわれており、高齢者や糖尿病などの基礎疾患
のある者で重症化しやすく、患者から医療機関受診者や医療従事者などへの感染といった
限定的な人から人への感染も確認されている。
MERS は、検疫法(昭和 26 年法律第 201 号)に基づく検疫感染症に位置づけられてお
り、水際対策として中東地域からの渡航者や帰国者に対して必要に応じ健康監視を実施し
ているほか、ポスターやリーフレットで注意喚起を実施している。また、MERS は感染
症法において二類感染症に位置づけられており、国内で MERS の患者が発生した際は入
院勧告など適切な措置が取られることとなっている。
依然として、サウジアラビア等で発生が起きていることから、引き続き、中東地域への
渡航に関する注意喚起や感染が疑われる患者に対する迅速な行政対応等を適切に行ってい
る。

(4)厚生労働省の取組みについて
健康で安全な生活の確保



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感染症対策においては、発生後速やかに患者を治療し、まん延を防止することが重要で

あるため、国や都道府県では、感染症法上のエボラ出血熱を含む一類感染症の患者の入院
を担当する特定感染症指定医療機関や第一種感染症指定医療機関の整備を進めており、
2019(平成 31)年 4 月 1 日時点で全ての都道府県(57 医療機関 113 床)において設置が
完了している。
また、海外の研究機関から分与されたエボラ出血熱ウイルス等の一類感染症の病原体を
もとに国立感染症研究所(BSL-4)において患者の診断のための検査法の整備を行った。
加えて、エボラ出血熱を始めとした、国内でほとんど経験することのない感染症につい
て海外で医療研修を行う「一類感染症等予防・診断・治療研修事業」を実施しており、さ
らに、国際的に脅威となる感染症の危機管理対応で中心的な役割を担う将来のリーダーを
育成するため、2015(平成 27)年度から「感染症危機管理専門家(Infectious Disease
Emergency Specialist:IDES)養成プログラム」を開設し、国立感染症研究所や WHO
等の国内外の関係機関と連携して、人材育成に努めている。

2

麻しん・風しん対策について

麻しんについては、2015(平成 27)年 3 月 27 日に WHO 西太平洋地域事務局により

日本が排除状態にあることが認定された。
一方で、海外渡航歴のある者や海外からの入国者を発端とする、麻しんの集団発生が散
発しており、厚生労働省では、麻しんの発生を意識した診療や、診断した場合の速やかな
届出、院内感染対策の実施について、自治体や医療機関に対して注意喚起を行うとともに
ポスターなどを使用し、普及啓発を継続している。
2018(平成 30)年 3 月に、海外からの入国者を発端として、沖縄県を中心に麻しん患
者の増加が報告された際や 2019(平成 31)年 2 月以降、関西地域で麻しん患者の増加が
報告された際には、国立感染症研究所から専門家を派遣し、積極的疫学調査を実施すると
ともに、予防・感染拡大防止策の更なる徹底について自治体や医療機関へ注意喚起を行

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令和 4 年版

厚生労働白書