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令和4年版厚生労働白書 (146 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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重要である旨が報告された。
介護サービス利用者のニーズは、認知症の
方、医療やリハビリが必要な方、看取り、障



2

知 識・ 技 術 を 見 え る 化 す る「 介 護 プ ロ
フェッショナルキャリア段位制度」

人材育成の方法は、介護事業所・施設ごと

担い手不足の克服に向けて

害の特性に応じた対応や複合的な支援ニーズ

に、その規模、サービス内容、運営方針等に

を抱える家族への対応など、複雑化・多様

より相違がある。介護事業所・施設ごとに独

化・高度化している。限られた人材でニーズ

自に行われている職業能力評価に、共通のも

に対応するためには、介護現場で働く多様な

のさしを導入することで、介護分野での人材

職種がそれぞれの知識・技術を効率的・効果

育成・定着促進を目指そうという取組みがあ

的に活用できるよう、チームで関わることが

る。2012(平成 24)年度*2 から始まった

重要である。そして、チームケアを推進して

「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」

いくため、一定のキャリアを積み、知識・技

(以下「介護キャリア段位制度」という。)

術を修得した「介護福祉士」 にリーダーと

は、資格制度では不足していた「実際にその

しての役割が期待されている。

現場で何ができるのか」を補うため、「わか

*1

様々な介護福祉士のキャリア像

る(知識)」のほかに「できる(実践的スキ
ル)」に重点を置いて評価する制度だ。

もちろん、介護福祉士としてのキャリアは

介護キャリア段位制度では、エントリーレ

チームケアのリーダーだけではない。介護福

ベルからプロレベルまで 4 段階あり、現在、

祉士の中には、専門性を活かし現場での実践

レベル 2 からレベル 4(プロレベル)までの

を重視したいという希望のほかに、部門長な

認定が行われている*3。介護福祉士は「わか

ど施設経営等のマネジメントに携わりたい、

る(知識)」の評価はレベル 4 となるが、「で

現場に軸を置きつつマネジメントにも携わり

きる(実践的スキル)」の評価は、基本介護

たいなどの希望を持つ方がいる。こうした

技術をはじめ、感染症対策、終末期ケア、地

様々なキャリア像について、その職務に就く

一般社団法人 シルバーサービス振興会
域包括ケアシステムへの対応に至るまで、複

ために必要な経験や知識、技術などのキャリ

雑化・多様化・高度化する支援ニーズを踏ま

アパスを明確にすることが重要だ。

えた評価項目が幅広く設定されている。評価

レベル

介護プロフェッショナルのレベル

わかる(知識)

できる(実践スキル)

一人前の仕事ができる段階 チーム内でリーダーシップ
レベル4

チーム内でのリーダーシップ
(例:サービス提供責任者、主任等)
部下に対する指示・指導
本レベル以上が「アセッサー」になれる

介護福祉士である
こと(国家試験合
格)

「基本介護技術の評価」
「利用者視点での評価」
「地域包括ケアシステム&リーダー
シップに関する評価」

介護福祉士養成課
程又は実務者研修
修了
※ 介護職員基礎
研修修了でも可。

「基本介護技術の評価」
「利用者視点での評価」

指示等がなくとも、一人前の仕事ができる

レベル3

利用者の状態像に応じた介護や他職種の連
携等を行うための幅広い領域の知識・技術
を習得し、的確な介護を実践
一定の指示のもと、ある程度の仕事ができる

レベル2

レベル2
レベル2


一定の範囲で、利用者ニーズや、状況の変
化を把握・判断し、それに応じた介護を実践
基本的な知識・技術を活用し、決められた手
順等に従って、基本的な介護を実践

介護職員初任者研
修修了(※)
※ ホームヘル
パー2級研修又は
1級研修修了も含
む。

「基本介護技術の評価」
「利用者視点での評価の一部」
(感染症対策・衛生管理など)
「基本介護技術の評価」
(状況の変化に応じた対応を除く)

(資料提供)一般社団法人シルバーサービス振興会
*1
*2
*3

132

令和 4 年版

専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状
況に応じた介護を行い、その者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者(社会福祉士及び介護福
祉士法第 2 条第 2 項)
2012(平成 24)~2014(平成 26)年度までは内閣府で実施され、2015(平成 27)年度~2017(平成 29)年度までは
厚生労働省が補助事業として実施、2018(平成 30)年度からはシルバーサービス振興会の事業として実施されている
2021(令和 3)年 12 月 23 日現在、7,913 名(うち、レベル 4 は 1,069 名)

厚生労働白書