よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和4年版厚生労働白書 (401 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

第2部
(3)HPV ワクチンについて

現下の政策課題への対応

とう

HPV ワクチンについては、広範な慢性の疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状が

接種後に見られ、2013(平成 25)年 6 月以来、この症状の発生頻度等がより明らかにな
り、国民に適切に情報提供できるまでの間、定期接種の積極的な勧奨を差し控えていた。
その後、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、薬事・食品衛生審
議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会において、HPV ワクチンの有効性
及び安全性に関する評価、接種後に生じた症状への対応、HPV ワクチンについての情報
提供の取組み等について継続的に議論が行われ、2021(令和 3)年 11 月には、最新の知
見を踏まえ、改めて HPV ワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確
認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められた。また、
HPV ワクチンの積極的勧奨を差し控えている状態については、引き続き HPV ワクチンの
安全性の評価を行っていくこと、接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関の診療実
態の継続的な把握や体制強化を行っていくこと、都道府県や地域の医療機関等の関係機関
の連携を強化し地域の支援体制を充実させていくこと、HPV ワクチンについての情報提
供を充実させていくこと、などの今後の対応の方向性も踏まえつつ、当該状態を終了させ
取扱いを終了するとともに、接種対象者等への個別の勧奨について、2022(令和 4)年 4
月から実施している。
また、第 28 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、今後、HPV ワクチ
ンの接種を進めるに当たっては、接種後の症状に対する相談支援体制・医療体制の維持、
確保が重要であることなどを踏まえ、関係機関などに適切な対応を求めていくことが必要
とされたところである。こうしたことを踏まえ、HPV ワクチンの接種に関する相談支援
られる役割を整理し、改めて適切な対応を依頼している。

8



さらに、HPV ワクチンの積極的勧奨の差控えにより接種機会を逃した方に対して公平



体制・医療体制等について、都道府県、市町村、協力医療機関及び地域の医療機関に求め

健康で安全な生活の確保

ることが妥当とされた。こうしたことを踏まえ、積極的勧奨を差し控えることとしていた

な接種機会を確保する観点から、時限的に、従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行
うこと(キャッチアップ接種)としており、予防接種法施行令を改正し、2022 年 4 月 1
日から施行している。
引き続き、HPV ワクチンの安全性の評価を行っていくとともに、協力医療機関の医師
等を対象とした研修会の実施や協力医療機関の機能強化に向けた事業の実施による接種後
に体調の変化の症状が生じた方への支援体制の強化、HPV ワクチンについての情報提供
の充実などに積極的に取り組んでいく。

令和 4 年版

厚生労働白書

387