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令和4年版厚生労働白書 (112 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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トされる側、看護師側のタスク・シフトも同
時に進めなければならないため、病棟で看護
師以外の職種ができる業務 54 項目を洗い出



2

した上で、看護クラークを増員・教育をして
タスク・シフトを進めている。
(3)医師事務作業補助者(DA:ドクターズ

担い手不足の克服に向けて

アシスタント)の配置
徐々に数や業務内容を増やしている(現在
43 人)
。医師の業務軽減のためには、DA 数
だけではなく、その質やモチベーションを上
げる取組みが必須である。そこで、DA リー
ダーとのコアメンバー会議や全 DA による定

働き方改革チームによる各診療科のヒアリン

例ミーティングを幹部医師や事務を交えて行

グとパラダイムシフトの必要性の啓発をしな

い、常に現状把握とコミュニケーションの向

がら、徐々に全診療科の認識を醸成した後

上を図っている。DA に一部門として活動す

で、病院の決定方針として、複数主治医制・

る意識を持たせることが大切であり、これに

チーム主治医制を導入した。その決定事項

よって DA 自身のモチベーションと活動の質

は、診療科だけでなく看護部を含む全部門の

の向上(相互教育や自己研鑽など)が見ら

協力・理解がないと成功しないため、その周

れ、離職率も大幅に減少している。

知も徹底した。その結果、全診療科でスムー

(4)その他のタスク・シフト
例えば薬剤部が自主的に医師や看護師に働

価が必要であると考えている。また、医療側

きかけて議論を行い、患者面談、持参薬の鑑

だけでなく、患者・家族の理解も高めていく

別・処方オーダーの代行入力、疑義照会の際

仕掛けが必要である。

の処方変更を薬剤師が行うなど医師の業務軽
減を図っており成果を上げている。

医師の超過勤務の実態把握と改善の試み

九州がんセンターでは、まず一人ひとりの

診療科長へ労働基準法や 36 協定の理解や認
識を高めてもらうことから始めた。その説明
は、管理課とともに幹部医師が率先して行っ
た。並行して、医師の超過勤務や年休取得の
状況を院内ネットワークで月に 1 回、36 協
定の遵守状況とともに、各診療科長・各医師
へフィードバックし常に認識を高めている。

医師の診療体制の変革

医師の働き方改革で最も重要なことは、医

師自身の考え方のパラダイムシフト、つまり
診療科ごとの複数主治医制・チーム主治医
制、さらに休日当番制の確立である。まずは

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ズに導入が進んだが、質の担保など継続的評

令和 4 年版

厚生労働白書

九州がんセンターでは、全スタッフ間の相
互理解を高める活動を併行しながら、「働き
方改革で医療の質を向上させる」ことを目指
し、その最終アウトカムである患者満足度や
医療従事者の満足度の向上を見える化するこ
とを追求することとしている。