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令和4年版厚生労働白書 (334 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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7 章 国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

第1節

1

地域における医療・介護の総合的な確保の推進

医療及び介護の総合的な確保の意義

急速に少子高齢化が進む中、我が国では、2025(令和 7)年までにいわゆる「団塊の

世代」が全て 75 歳以上となり、超高齢社会を迎える。こうした中で、国民一人一人が、
医療や介護が必要な状態となっても、できる限り住み慣れた地域で安心して生活を継続
し、その地域で人生の最期を迎えることができる環境を整備していくことは喫緊の課題で
ある。
我が国における医療及び介護の提供体制は、世界に冠たる国民皆保険を実現した医療保
険制度及び創設から 23 年目を迎え社会に定着した介護保険制度の下で、着実に整備され
てきた。しかし、高齢化の進行に伴う高齢者の慢性疾患の罹患率の増加により疾病構造が
変化し、医療ニーズについては、病気と共存しながら、生活の質(QOL)の維持・向上
を図っていく必要性が高まってきている。一方で、介護ニーズについても、医療ニーズを
併せ持つ重度の要介護者や認知症高齢者が増加するなど、医療及び介護の連携の必要性は
これまで以上に高まってきている。特に、認知症への対応については、地域ごとに、認知



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症の状態に応じた適切なサービス提供の流れを確立するとともに、早期からの適切な診断
や対応等を行うことが求められている。また、人口構造が変化していく中で、医療保険制
度及び介護保険制度については、給付と負担のバランスを図りつつ、両制度の持続可能性

国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

を確保していくことが重要である。
こうした中で、医療及び介護の提供体制については、サービスを利用する国民の視点に
立って、ニーズに見合ったサービスが切れ目なく、かつ、効率的に提供されているかどう
かという観点から再点検していく必要がある。また、高齢化が急速に進む都市部や人口が
減少する過疎地等といったそれぞれの地域の高齢化の実情に応じて、安心して暮らせる住
まいの確保や自立を支える生活支援、疾病予防・介護予防等との統合も必要である。
このように、利用者の視点に立って切れ目のない医療及び介護の提供体制を構築し、国
民一人一人の自立と尊厳を支えるケアを将来にわたって持続的に実現していくことが、医
療及び介護の総合的な確保の意義である。

2

地域医療介護総合確保基金

「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」
(平成元年法律第 64

号)に基づき、消費税増収分等を活用した財政支援制度(地域医療介護総合確保基金)を
創設し、各都道府県に設置している。都道府県は、「地域における医療及び介護を総合的
に確保するための基本的な方針」
(総合確保方針)に即して、かつ、地域の実情に応じて、
地域における医療及び介護の総合的な確保のための事業の実施に関する計画(都道府県計
画)を作成し、地域医療介護総合確保基金を活用しながら、当該計画に基づく事業を実施
することとしている。地域医療介護総合確保基金については、都道府県において毎年度事

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