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令和4年版厚生労働白書 (405 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/zentai.pdf
出典情報 令和4年版厚生労働白書(9/16)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

質を向上させるため、2 か所の小児がん中央機関を指定した。2018(平成 30)年度には、
小児がん医療や支援の質の向上を目指し、小児がん拠点病院の要件を改定し、改めて全国
に 15 か所の小児がん拠点病院を指定した。2019(令和元)年度には、小児がん拠点病院
がそれぞれの地域ブロックで指定要件を定めた上で、小児がん連携病院の指定を開始し、
2021(令和 3)年 9 月時点において全国で 143 か所指定されており、地域における小児
がん診療のネットワーク化が進められている。
高齢者のがん対策について、第三期の基本計画では、QOL の観点を含め、高齢のがん
患者に適した治療法や診療ガイドラインを確立するための研究を進めることとしており、
こうした取組みにより高齢者のがん対策を推進していく。

(5)がん登録の推進

がん登録は、がんの罹患、診療、転帰などに関する情報を登録する仕組みであり、科学

的根拠に基づいたがん対策や質の高いがん医療を実施するため、また、国民や患者への情
報提供を通じてがんに対する理解を深めるために必要なものである。
2013(平成 25)年 12 月に「がん登録等の推進に関する法律」(平成 25 年法律第 111
国がん登録」と「院内がん登録」が実施されている。
全国がん登録は、2016(平成 28)年 1 月から、これまで健康増進法(平成 14 年法律
第 103 号)に基づく事業として、全都道府県で実施されてきた「地域がん登録」から移
行する形で開始した。がん登録推進法では、全ての病院と指定された診療所にがん患者の
情報の届出が義務づけられており、2016 年の全国がん罹患数の速報が 2019(平成 31)
年 1 月に初めて公表され、がん登録情報の提供が開始された。
を登録する仕組みである。院内がん登録の実施は、拠点病院の指定要件としており、院内

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がん登録の集計結果などを国立がん研究センターに情報提供することなどを義務づけてい



また、院内がん登録は、院内におけるがんの罹患、診療、転帰などに関する詳細な情報

健康で安全な生活の確保

号)(以下「がん登録推進法」という。
)が議員立法により成立し、本法律に基づき、
「全

る。

(6)がんと診断された時からの緩和ケアの実施

緩和ケアについては、2017(平成 29)年に「がん等の診療に携わる医師等に対する緩

和ケア研修会の開催指針」を発出し、がん診療に携わる医師などを対象とした基本的な緩
和ケアに関する知識や技術を身につけるための緩和ケア研修を行っている。2021(令和
3)年 9 月末時点で約 15 万人がこの研修を修了している。また、拠点病院において、緩和
ケアに関する専門的な知識及び技能を有する医師や看護師などから構成される緩和ケア
チームや緩和ケア外来を整備し、入院・外来問わず、専門的な緩和ケアを提供するための
体制が構築されている。
2016(平成 28)年度からは、都道府県がん診療連携拠点病院において、2019(令和
元)年度からは、これに加えて地域がん診療連携拠点病院(高度型)において、より機能
の高い緩和ケアセンターが設置されている。このほか、一般国民を対象とした、緩和ケア
や医療用麻薬に関する正しい知識を身につけるための普及啓発にも取り組んでいる。

令和 4 年版

厚生労働白書

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