に広報・啓発活動に取り組むことなどを通じ、孤独・孤立の問題に関する啓発活動
を推進する。
○ 国民も、孤独・孤立の問題についての知識（例えば、社会構造の変化によって孤
独・孤立に陥りやすい「つながりの薄い」社会となっており、孤独・孤立の問題は、
生活環境や雇用環境の変化などで何人にも生じ得ること、また孤独・孤立に陥るこ
とは個人の責任ではないこと）を身に付け、身の回りの人に関心を持ち、できる範
囲で困っている人をサポートしていただくことが予防の観点からも極めて重要であ
ることから、令和６年度から本格実施している、一般市民を担い手とする「つなが
りサポーター」の養成の促進・普及を図る。令和７年度以降、より幅広い分野にお
いて、関係機関の協力も得ながら、こども向け「つながりサポーター」も含め、全
体として「つながりサポーター」の更なる普及を図る。
○ 令和６年の自殺者数について、50 歳代が最も多い一方で、小中高生の自殺者数が
過去最多となり、特に女子中高生の自殺者数が増加している 11こと、10 歳代の女性
は他の年齢層と比べても高い増加率となっている事実等を重く受け止める必要があ
る。自殺対策基本法に規定 12されているとおり、こども・若者の自殺を含めた自殺
の問題は、社会全体の問題であるという認識の下、関係府省庁が連携して対策 13を
講じているところであるが、児童館やフリースペース、こども食堂といった家庭で
も学校でもない多様な居場所づくりや、そうした居場所を通じて、こども・若者の
悩みを地域で受け止め、伴走支援を行う体制の構築などの、地方公共団体やＮＰＯ
等の取組への支援等を通じた取組や、地域で教育や福祉等に携わる方の「顔の見え
る関係」づくりなど、こども・若者の孤独・孤立状態の予防に向けた取組を推進す
る。
○ 今後、単身世帯や単身高齢世帯の増加 14により孤独・孤立のリスクを抱える者の
増加が見込まれ、孤立死についても増加していくことが懸念される 15。こうした中
長期的な課題に対しては、関係府省庁や地方公共団体が密接に連携し、現役世代を
11

令和６年における小中高生の自殺者数は、529 人と過去最多である。女子中高生についてみると、女
子高校生（令和５年：166 人、令和６年：185 人）、女子中学生（令和５年：80 人、令和６年：99 人）
ともに増加している（
「令和６年中における自殺の状況」
（令和７年３月 28 日厚生労働省自殺対策推
進室、警察庁生活安全局生活安全企画課）より）
。
12
自殺対策基本法（平成 18 年法律第 85 号）第２条第２項において、「自殺対策は、自殺が個人的な問
題としてのみ捉えられるべきものではなく、その背景に様々な社会的な要因があることを踏まえ、社
会的な取組として実施されなければならない。」と規定されている。
13
政府においては、
「自殺総合対策大綱」
（令和４年 10 月 14 日閣議決定）に基づき、総合的に自殺対策
を推進してきた。また、こどもの自殺者数の増加の事実を重く受け止め、令和５年６月に「こどもの
自殺対策緊急強化プラン」
（令和５年６月２日こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議）を取り
まとめ、関係府省庁が連携の下、対策を講じている。
14
国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計（全国推計）」（令和６年推計）によれば、
一般世帯総数に占める単独世帯の割合は、38.0％（令和２年）から 44.3％（令和 32 年）と、今後と
も高い割合で推移していくことが見込まれる。
15
「孤立死者数の推計方法等について～「警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者」
をもとに～」
（令和７年４月 11 日「孤独死・孤立死」ＷＧとりまとめ）においては、孤立死者数の推
計のための概念的定義を、
「誰にも看取られることなく死亡し、かつ、その遺体が一定期間の経過後に
発見されるような死亡の態様」としている。その上で、孤立死者数について、
「警察取扱死体のうち、
自宅において死亡した一人暮らしの者」
（令和６年）のうち、生前に社会的に孤立していたことが強く
推認される「死後８日以上」を経過していたものは、21,856 件であると推計したところである（参考：
「死後４日以上」を経過していたものは、31,843 件）
。

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