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資料2:「孤独・孤立対策に関する施策の推進を図るための重点計画」改定案 (14 ページ)

公開元URL https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/suishinhonbu/dai3_shiryou.html
出典情報 孤独・孤立対策推進本部(第3回 5/27)《内閣府》
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努力に委ねられるべき問題ではなく、現に当事者が悩みを家族等 25に相談できない場
合があることも踏まえると、孤独・孤立は社会全体で対応しなければならない問題で
ある。
加えて、社会との関係の中で生まれる「関係性の貧困」とも言える孤独・孤立の状
態は、「痛み」や「辛さ」を伴うものであり、心身の健康面への深刻な影響 26や経済的
な困窮等の影響も懸念されており、孤独・孤立は命に関わる問題であるとの認識が必
要である。
一般に、「孤独」は主観的概念であり、ひとりぼっちと感じる精神的な状態を指し、
寂しいことという感情を含めて用いられることがある 27。他方、「孤立」は客観的概念
であり、社会とのつながりや助けのない又は少ない状態を指す。
概念は異なるが相互に関連する「孤独」と「孤立」の問題としては、
・ 社会とのつながりが少なく「孤立」しており、不安や悩み、寂しさを抱えて「孤
独」である場合がある
・ 社会とのつながりが一定程度あり「孤立」していないが、不安や悩み、寂しさを
抱えて「孤独」である場合がある
・ 社会とのつながりが少なく「孤立」しているが、不安や悩み、寂しさを抱えてい
ないため「孤独」でない場合もある(ただしその場合でも、家族など周りの方が困
難を抱えている場合も想定される。)
と考えられるが、孤独・孤立に関して当事者等が置かれる具体的な状況は多岐にわた
り、孤独・孤立の感じ方・捉え方も人によって多様である。
このように、多様な形がある孤独・孤立の問題については、孤独・孤立の一律の定
義の下で所与の枠内で取り組むのではなく、孤独・孤立双方を一体として捉え、当事
者等の状況等に応じて多様なアプローチや手法により対応することが求められる。こ
うした議論を踏まえ、推進法においては、「孤独・孤立の状態」について、「日常生活
若しくは社会生活において孤独を覚えることにより、又は社会から孤立していること
により心身に有害な影響を受けている状態」と定義している(推進法第1条)。
また、社会からの孤立がセルフネグレクトや社会的排除を生むという「負の連鎖」
を断ち切る観点からも取組を進めることが求められる。
一方、主観や感情に関わる「孤独」の問題への対応については、個人の内心に関わ
る点に留意しつつ、問題の状況に応じて必要な対応は当然行うことが求められる。
孤独・孤立対策においては、以上に留意し、当事者等が「望まない孤独」28及び「孤
立」を対象として、その実態や当事者等のニーズに応じた施策を有機的に連関・連携
させて、相乗効果を高めながら、取組を進める。その際、孤独・孤立対策の問題の解
消を目的とした相談支援や普及啓発活動等を進めることに加え、当事者等の日常生活・
25

「家族等」には、例えば当事者の友人・知人が含まれる。
英国では、孤独は肥満や認知症、高血圧のリスクを高める等の健康被害をもたらす、社会的なつなが
りが弱いと1日 15 本の喫煙と同程度の健康への悪影響がある、社会的孤立は健康格差に影響を与え
るとの研究がある。
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英国における「孤独」の定義は「交友関係の欠如や喪失という主観的で好ましくない感情。現在有す
る社会的関係の量や質と望んでいる社会的関係の量や質との間にミスマッチがある時に生じる。」と
されている。
28
重点計画で「孤独」と表記する場合は、
「望まない孤独」のことをいう。なお、
「望まない孤独」であ
るか否かの判断には慎重さが求められることに留意が必要である。
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