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資料2:「孤独・孤立対策に関する施策の推進を図るための重点計画」改定案 (10 ページ)

公開元URL https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/suishinhonbu/dai3_shiryou.html
出典情報 孤独・孤立対策推進本部(第3回 5/27)《内閣府》
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Ⅱ.孤独・孤立対策の基本的考え方等
1.我が国における孤独・孤立に関する状況
我が国においては、グローバリゼーションが進む中で、それまで定着していた終身雇
用、年功賃金や新卒一括採用等に基づく日本型雇用慣行が変化し、パートタイム労働者・
有期雇用労働者・派遣労働者といった非正規雇用労働者が増加するなど、雇用環境が大
きく変化してきた。
また、インターネットの普及等に伴う情報通信社会の急速な進展等により、国民の生
活環境やライフスタイルは急速に変化してきた。
さらに、人口減少、少子高齢化、核家族化、未婚化・晩婚化、これらを背景とした単
身世帯や単身高齢者の増加といった社会環境の劇的な変化が進み、地域社会を支える地
縁・血縁といった人と人との関係性や「つながり」は希薄化の一途をたどってきた。
このような雇用環境・生活環境や家族及び地域社会の変化は、雇用形態の多様化や所
得格差の拡大等を背景として、職場内・家庭内・地域内において人々が関わり合いを持
つことによって問題を共有しつつ相互に支え合う機会の減少をもたらした。このように、
人と人との「つながり」や人間関係を築くことが容易ではない社会になりつつある中で、
人々が「生きづらさ」や孤独・孤立を感じざるを得ない状況を生む社会へと変化してき
たと考えられる。
こうした状況は、例えば、国連の「世界幸福度報告」によると、近年、我が国は「社会
的支援(困った時にいつでも頼れる友人や親戚はいるか)」など社会関係資本に関連す
る指標がG7の中で下位グループに位置していること等にも表れている。
さらに、我が国の社会生活を一変させた新型コロナウイルスの感染拡大は、それまで
の社会環境の変化等により孤独・孤立を感じやすくなっていた社会において内在してい
た孤独・孤立の問題を顕在化させ、あるいは一層深刻化させる契機になったと考えられ
る 18。
新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後も、孤独・孤立の問題はなくなったとは
いえない。現に、孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和6年)においても、約
4割の人が「孤独感がある」と回答しており、令和3年から令和5年までの調査と同様
の傾向を示している 19。
18

外出自粛の影響により、人々が自宅で家族とともに過ごす時間が増加したことは、家族の親密化をも
たらす一方で、元々折り合いの良くなかった家族にとっては家族関係の悪化が生じ、閉塞感を感じる
人が少なからず存在したことが見込まれる。このことは、自殺者数が令和2年に総数で前年比 912 人
増の2万 1,081 人(うち、女性は 7,026 人で前年比 935 人増、小中高生は 499 人で前年比 100 人増で
当時過去最多)となり 11 年ぶりに対前年比で増加したこと、配偶者暴力相談支援センターへの相談
件数が令和2年度に過去最多(12 万 9,491 件)となったこと、児童相談所における児童虐待相談対応
件数が令和2年度で 20 万 5,044 件(前年度比1万 1,264 件増)となったこと、小・中学校における
長期欠席者のうち不登校児童生徒が令和2年度で 19 万 6,127 人(前年度比1万 4,855 人増)となっ
たこと等の要因の一つとも考えられる。
19
孤独・孤立の実態把握に関する全国調査において、「あなたはどの程度、孤独であると感じることが
ありますか。
」との質問に対する回答。なお、令和3年から令和6年までの調査において、孤独感が
「決してない」と回答した者を除く約8割の人に、程度の差こそあれ孤独感があると考えられる。
・令和3年:
「しばしばある・常にある」4.5%、
「時々ある」14.5%、
「たまにある」17.4%、
「ほとん

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