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規制改革推進に関する答申 令和7年5月28日 (9 ページ)

公開元URL https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_report.html
出典情報 規制改革推進に関する答申(5/28)《内閣府》
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潜在成長率を規定する要因の一つである労働供給は、2010年代以降、人口減
少が進む中にあっても、女性や高齢者の労働参加の高まりにより、就業者数が
増加し、潜在成長率を下支えしてきた。しかしながら、今後は、少子高齢化が
加速化する中において、労働供給の制約が潜在成長率を押し下げる要因となり
得る。こうした中で、マクロ的な経済の需給バランスは、今後、需要不足から
供給制約の局面に入るとみられ、供給面の制約が、経済の成長力の桎梏となる
懸念が高まっている。とりわけ、既に少子高齢化が著しい地方において、その
影響は甚大であろう。買物、医療・福祉、交通など、日常生活に不可欠なサー
ビスの維持が困難な地域が顕在化し、深刻化することが想定される。
地方こそ成長の主役であり、地方創生なくして、我が国経済の自律的かつ持
続的な成長はあり得ない。このため、デジタルやAI等の新技術も最大限活用
し、地方が有する潜在力を最大限に引き出すことが重要である。また、人手不
足が深刻化する中で、省力化・省人化投資を促進するとともに、労働時間の追
加を含め、人々の潜在的な就業希望を可能な限り実現しつつ、限られた人材が
適材適所で活躍できる環境を整えることにより、労働供給面からの成長制約を
緩和することが求められる。さらに、スタートアップの活躍、デジタルやAI
等の新技術を活用した財・サービスの社会実装など、イノベーション創出や生
産性向上を促進することにより、中長期的な生産性を高め、成長力を強化し、
「賃上げと投資が牽引する成長型経済」を実現する必要がある。
以上のような問題意識の下、会議では、地域の人々や企業の活動の前提とな
る規制・制度について、時代や環境の変化、技術の進歩に応じて不断に見直し、
イノベーションを生み出す環境を整える改革を実現すべく、検討・審議を行っ
てきた。とりわけ、人手不足の深刻化など予見可能な環境変化に対応した規制・
制度の見直し、技術の進歩に応じた規制・制度の見直し、また、企業の成長力
を引き出すための規制・制度の見直しという3つの観点で、利用者目線を徹底
した規制・制度改革の実現に向けた議論を重ねてきた。
規制・制度は、それぞれが合理的な目的・根拠をもってつくられたものであ
る一方で、その前提となる経済社会構造の変化等に対して、自律的かつ柔軟に
対応できるメカニズムを内在しているわけではない。この点において、様々な
前提条件の変化が生じる中、規制・制度の所管府省が「規制の虜」に陥ること
のないよう、個別最適ではなく全体最適の観点から、規制・制度をアップデー
トすることが重要である。かかる観点から、政府においては、本答申で取りま
とめた事項を着実に実現することで、地域の社会課題を解決するとともに、経
済社会の潜在力を余すところなく発揮し、さらに高めていくことにより、一人
一人の国民が、より豊かに、成長と幸福を実感し、安全・安心に暮らしていく
ことができる、ウェルビーイングあふれる社会を実現することが求められてい

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