規制改革推進に関する答申 令和7年5月28日 (81 ページ)
出典
公開元URL | https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_report.html |
出典情報 | 規制改革推進に関する答申(5/28)《内閣府》 |
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が引き続き重要な社会課題となっているが、認知症等の状態になり、判断能
力がないと認められた場合には、預金の引出しが制限されるなど、認知症等
の人及びその生活を支える親族等に著しい不便が生じる可能性がある。これ
に対し、認知症等の状態になる以前から、信託の仕組みを活用することによ
り親族間で財産の管理を行い、円滑な財産承継の準備を行うことが、認知症
等の状態になった後の不便を防ぐための有効な手段となり得るが、信託の仕
組みが十分認知されていないほか、信託に当たって活用される公正証書の作
成手続がアナログであることなどにより、その活用が十分に進んでいないと
の指摘があり、信託制度の分かりやすい周知や手続のデジタル化を図ること
が重要である。
また、信託の仕組みを活用しないなど、あらかじめ財産管理の準備をせず
に認知症等の状態になった場合には、不動産売買といった財産管理や医療費
の支払いといった身上の保護の手段として、法定後見制度を利用することが
考えられるが、その手続のデジタル化が進んでおらず煩雑であるとの指摘や、
一度利用し始めると被後見人本人が死亡するまで終了できないなど、利用者
にとって使い勝手が悪く活用が進まないとの指摘を踏まえ、法定後見制度の
在り方の見直し及び手続のデジタル化・簡素化を図ることが重要である。
以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。
<実施事項>
(ア)超高齢社会に対応した親族間での信託の活用による柔軟な財産管理
の推進
【a,c:令和7年度措置、
b:a の措置後、速やかに措置】
a 法務省は、国民が認知症などに備えた財産管理を行うに当たり、民事
信託(親族間で活用する信託をいう。以下同じ。)が有効であるものの、
信託制度自体が国民に十分認知されておらず、また、認知されていても
信託制度の内容の理解が十分でないため、活用が進んでいないとの指摘
があることを踏まえ、金融庁と連携し、国民向けに信託制度や民事信託
の活用方法を分かりやすく解説したパンフレットを作成し、法務省ウェ
ブサイトに当該パンフレットを掲載することなどを通じ、広く周知する。
その際、弁護士や司法書士などの士業が依頼者のニーズに合わせて適
切に民事信託の活用を案内することも可能となるよう、民事信託の活用
例(親族間の財産管理、承継への活用など)や、民事信託が法定後見制
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