規制改革推進に関する答申 令和7年5月28日 (147 ページ)
出典
公開元URL | https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_report.html |
出典情報 | 規制改革推進に関する答申(5/28)《内閣府》 |
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つれ、そのサービスや製品に関わる関係者も多様化する中で、知的財産権の
侵害、偽情報や誤情報の生成・発信等、AIがもたらす社会的リスクが高ま
っているとの指摘がある。
こうした中、生成AIの普及を始めとする近年の技術の急激な変化等に対
応し、AIの利用に伴うリスクの低減を図るとともに、AIのイノベーショ
ン及び活用を促進していく観点から、
「AI事業者ガイドライン(第 1.1 版)」
(令和7年3月 28 日総務省・経済産業省。以下「ガイドライン」という。)
が取りまとめられ、AIの事業活動を担う主体をAIの開発者、提供者、利
用者に大別し、当該主体が取り組むべき事項(人間中心、安全性、透明性な
ど)を整理した「共通の指針」が示されるとともに、AIに関与する主体ご
とに求められる具体的な役割など、「共通の指針」を実践するために必要と
なるガバナンスの在り方が示されている。
ガイドラインは、AIに関係するリスクが顕在化するのを防ぐための措置
である一方、実際にAIに起因する損害が発生するなどリスクが顕在化した
場合における関係者間の民事上の法的責任については網羅的な整理が進ん
でいない。このため、ガイドラインの実効性を高めるとともに、AIに関与
する事業者の責任処理の予見可能性を高めるためにも、AIに関する民事上
の法的リスクや関係者の責任の在り方に関する考え方を示すことが必要で
ある。
以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。
<実施事項>
経済産業省は、関係省庁と連携し、AIの開発、提供及び利用の促進を図
りつつ安全を確保するため、AIの誤作動による人身損害事案や、財産的権
利が侵害された事案を想定し、AIの類型(①人による判断を支援するAI、
②画像の生成を行うAI、③情報収集から目標達成までを自律的に実現する
AI、④現実世界における直接的な動作を実現するためのAIなど)ごとの
事例研究を通じて、以下の事項等について整理した上で、民法(明治 29 年
法律第 89 号)の不法行為責任の規定を中心とした民事上の責任に関する考
え方を示した文書を取りまとめ、ウェブサイトに公表するとともに、関係者・
関係団体に対して周知する。
・AIが、学習した結果に基づいて自ら判断をするため、その判断過程を外
部から明らかにすることが困難であるという性質(ブラックボックス性)
を有することを踏まえた立証の在り方などの法的論点
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