令和8年度予算の編成等に関する建議 (53 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html |
| 出典情報 | 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》 |
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医療提供の効率化
医療・福祉分野の就業者数は、平成6年(1994 年)
(350 万人)から令
和5年(2023 年)
(921 万人)までで約 571 万人と大幅に増加し、全産
業に占める割合も同期間で2倍近く増加している(令和5年(2023 年)
時点で就業者の 7.4 人に1人が医療福祉分野で就業している計算)
。また、
病床 100 床当たり従事者数で見ても増加傾向が見られる。
人材は貴重な経営資源である。医療機関の経営上、人件費が最大の費用
項目(薬剤費を除けば約6割を占める)となっている状況において、今後、
「1人当たり賃金」を着実に引き上げていく必要があること、社会全体の
人的資源配分の最適化が今後一層重要であることを考慮すれば、我が国
における医療提供の在り方を可能な限り効率化させていくことが喫緊の
課題である。
社会全体が人手不足に直面する中で、医療機関単位での人材配置の適
正化、ICT 化等と、地域単位での効率的な医療提供体制の構築という両
面からの取組を強力に進めていく必要がある。〔資料Ⅱ-1-41 参照〕
ア)医療の質の評価
医療の価値は、必ずしも投入された人材の量に比例するものではない。
しかしながら、価値の評価(アウトカム評価 38)に基づき医療の価格を客
観的に設定することを回避してきた。このため、現在の診療報酬体系は、
「診療に要する経費を補填する」という考え方を基本とし、ストラクチャ
ー評価 39を基礎として構築されてきた。
診療報酬でのストラクチャー評価は、他の福祉分野と比べてもその厳
格さが際立っている。例えば、看護職員の配置は、医療法上で定められた
最低基準に加え、入院患者の特性等に応じて診療報酬上で更なる上乗せ
配置が要請される。また、これらの基準は、
「実質配置」を求めるもので
あり、常時一定の職員が配置されることが基本となっている。リハビリテ
38
患者の生活の質の改善や患者・家族の満足度など、医療の提供が実際に患者側に及ぼした効果
に着目して医療の質を評価する。
39 医療従事者の配置数や医療設備の導入状況など、医療提供側の体制整備の度合いに着目して医
療の質を評価する。
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