令和8年度予算の編成等に関する建議 (140 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html |
| 出典情報 | 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》 |
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我が国の農業の現場では、農業従事者の減少と高齢化が進み、耕地面積
は減少を続けている。この四半世紀の間、農業総産出額は微増にとどまっ
ている。今後、農業従事者が急減することが見込まれており、食料安全保
障を将来にわたって確保していくためにも、農業の在り方を大きく変え
ていかなければならない。他方、近年、法人経営体が増加し、販売額や耕
地面積で大きなシェアを占めるまでになっている。また、売上げが1億円
を超える経営体数は大きく増加し、農業への新規参入者・新規雇用就農者
も増加が見られる。
〔資料Ⅱ-7-1~3参照〕
これからの日本の農政では、法人経営体を含めた新たな担い手の参画
を促しつつ、農地の大区画・集約化、デジタル技術の活用やスマート農業
の推進、単位面積当たりの収量の増加、輸出の促進などを進め、強い経営
体の下で稼げる農業を創り出していくよう、政策を再構築する必要があ
る 128。
なお、米価は高止まりしているが、生産者と消費者の双方が納得できる
価格の形成に向けては、生産段階で生産性の向上を図るとともに、流通段
階で市場機能が適切に発揮される環境を作ることが重要である。
(1)「地域計画」の見直しと農業の構造転換
農業の生産性を向上させるためには、特に、農地の集約化が喫緊の課
題になっている。令和5年(2023 年)の「農業経営基盤強化促進法」
(昭
和 55 年法律第 65 号)の改正により、市町村は、地域における関係者の
話合いを踏まえ、地域農業の将来像や 10 年後の農地利用を明確化した
「地域計画」を策定することとなった。しかし、現時点で策定された「地
域計画」のうち約半数は現在の農地利用の状況を把握しただけにとどま
るものになっており、また、約3割の農地において将来の受け手が位置
付けられていない状況にある。
5年間の農業構造転換集中対策期間において、農業の本格的な構造転
128
戦後の日本の農政を振り返ると、長年にわたって、現状を維持する方向での政策が採られ、結
果として、国際的に見て日本の農業の生産性が低下したとの意見があった。
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