令和8年度予算の編成等に関する建議 (127 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html |
| 出典情報 | 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》 |
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我が国の債務残高対 GDP 比を安定的に引き下げていくことを含めて、
第Ⅰ章「財政総論」で述べた課題は社会資本整備においても例外ではない。
加えて、人口減少社会では、あらゆる産業が人手不足という共通の課題に
直面している。社会資本整備を支える建設業にも当てはまる。建設業界全
体としての生産性向上の取組を着実に進めるとともに、公共工事の規模
や配分について、社会全体としての供給制約下において、公共工事の過度
な増大が民間工事の円滑な施工や緊急を要する災害対応に悪影響を及ぼ
すおそれがあることを十分に踏まえた上で慎重な検討を行うことが不可
欠である。
我が国は、少子化・高齢化に加え、インフラの老朽化にも対峙していか
なければならない。インフラ総量の維持にとらわれることなく、今後のイ
ンフラ整備に当たっては、将来の人口動態や地域構造の変化を的確に見
据え、広域的な観点から、持続可能で最適な制度を再構築し、
「コンパク
ト・プラス・ネットワーク」をより一層意識して政策を進めていく必要が
ある。また、インフラ老朽化、自然災害の激甚化・頻発化などが進む中、
安定財源を確保しながら、国土強靱化の取組を着実に進めていくことが
求められている。
これらの取組を総合的かつ戦略的に行うことにより、予算や労働力の
制約の下でも、社会資本整備の一層の重点化と効率化を図り、持続可能で
強靭な社会資本と経済社会の実現を目指していくことが我々に課された
使命である。
(1)公共投資をめぐる現状と課題
①
公共投資の規模の制約と重点化
ア)公共投資の現状
我が国の公共投資の規模は、長期にわたり主要先進国と比較して固定
資本形成(フロー)が高水準で推移してきた。その結果、固定資本ストッ
クは極めて高い水準にある。インフラ整備は着実に進展しており、約 35
年前と比べても、高速道路、新幹線、空港、港湾、生活関連施設などの社
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